東北電、原町火力の試運転公開 「1日2億円コスト減」
東北電力は21日、東日本大震災の津波で被災した原町火力発電所(福島県南相馬市)の試運転を報道陣に公開した。2号機は昨年11月、1号機は今年1月に稼働を再開している。同発電所は低コストの石炭を燃料にしている。樋口康二郎所長は「原発が再稼働しない現状で、2基の稼働は1日2億円のコスト減になる」と強調した。
同発電所は津波でタービン建屋が浸水するなど、東北電の火力発電所で最大の被害があった。当初は今夏の運転再開を目指していたが、燃料費圧縮のため、復旧工事を前倒しで進めてきた。工事費は全体で約1700億円。非常用電源を屋上に設けたり、燃料タンクを高台に移設したりするなどの津波対策も施した。
営業運転の再開時期については2号機が3月末としている。1号機は18日にボイラーの蒸気漏れでいったん運転を停止し、現在は点検作業中だが樋口所長は「工程に多大な影響を与えることはない」としている。
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