マクドナルド、バーガー100円に 増税後も割安感
日本マクドナルドホールディングスは19日、消費税率の上がる4月1日から「ハンバーガー」の価格を今より20円下げて100円(税込み)にすると発表した。100円均一商品をそろえた「100円マック」シリーズも続ける。価格競争の激しい外食産業では増税後も割安感を打ち出して消費者を呼び込もうと、人気商品の値下げや据え置きの動きが広がってきた。
マクドナルドは「チーズバーガー」も17円値下げし、133円にする。「プレミアムローストコーヒーSサイズ」「ホットアップルパイ」など現在6種類ある100円マックは、税込み価格100円のまま据え置く。ハンバーガーは2013年5月に20円値上げしており、再び100円に戻す。他の商品は増税分の3%を上乗せする。
マクドナルドは競合する他の外食やコンビニエンスストアに顧客が流れ、直近12カ月のうち9カ月で既存店売上高が前年比マイナスとなるなど苦戦している。主力のハンバーガーを値下げすることで増税後の需要の取り込みを狙うが、来店増につなげられなければ、収益回復が遅れる可能性もある。
他の外食大手の間でも価格を据え置き、消費の冷え込みを避けようとする動きが目立つ。長崎ちゃんぽん店「リンガーハット」を運営するリンガーハットは、最も人気の高いちゃんぽんとギョーザのランチセット「長崎ちゃんぽんランチ」(699円)を据え置く。「リンガーランチ」(490円)は増税分を転嫁すると504円になるが、499円に抑える。「主力商品は少しでも増税分を吸収し、客離れを防ぐ」(同社)という。
ラーメン店「日高屋」を運営するハイデイ日高も「中華そば」(390円)、「ニラレバ炒め定食」(650円)の人気商品の価格を据え置く。「3%以上転嫁する商品もあるが、人気メニューを据え置いて値ごろ感の維持を狙う」(同社)
景気回復に伴い業績が改善し、ベースアップなどで賃金を引き上げる企業が増えている。ただ、増税後は一時的に消費が冷え込む可能性が高い。外食大手は主力商品の値下げや価格据え置きを通じて客数を増やし収益の拡大を狙う。消費者には負担軽減になりそうだ。
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