宇宙環境、10世紀にも変化 名大チームが確認
地球に到達した宇宙線が993年に急増し、宇宙環境が大きく変化していたことを確認したと、名古屋大・太陽地球環境研究所の増田公明准教授(宇宙線物理学)らの研究チームが23日付の英科学誌電子版に発表した。
チームは775年にも同様の現象が起きていることを明らかにしており、今回が2例目。2例とも太陽活動が活発な時期に起きていることなどから、増田准教授は「この変化は、太陽表面で起こる爆発現象の『太陽フレア』の大規模な発生により起きたのではないか」と推測している。
チームは、樹齢約1900年の屋久杉の年輪を解析し取り込まれた炭素濃度を測定。その結果、宇宙線が大気と反応して生成され、太陽の活動周期の11年間で通常0.3~0.4%程度の変動しかない放射性炭素「炭素14」の大気中の濃度が、993年に0.9%高まったことを発見した。775年よりは小規模とみられる。〔共同〕