5億年前の化石、脳や神経を「透視」 海洋機構などCTで
海洋研究開発機構や英国自然史博物館などの国際研究チームは、約5億年前のカンブリア紀の化石をコンピューター断層撮影装置(CT)で観察し、ほぼ完全な形で残っていた脳や神経を撮影することに成功した。
化石に神経が残っていることは極めて珍しく、その構造から現存するクモやサソリの近縁種であることが分かった。生物の進化の解明に役立つ成果という。成果は英科学誌ネイチャー(電子版)に17日、掲載される。
研究チームは中国雲南省で見つかった保存状態の良い原始的な節足動物の一種「アラルコメネウス」の化石を調べた。CTなどで内部を見たところ、目につながる視神経や脳などが判別できた。
この化石の神経の構造は現在のクモやサソリ、カブトガニといった「鋏角(きょうかく)類」と共通点があった。クモなどの先祖に近い生き物とみられる。