兵庫・淡路の地震、「阪神と異なる逆断層型」 気象庁
兵庫県・淡路島で震度6弱を観測した13日早朝の地震の震源は淡路島のほぼ中央で、1995年に阪神大震災を引き起こした「野島断層」の南側と推定される。18年が経過しているうえ、地震のメカニズムも異なることから、気象庁は、現段階では同震災の余震とはとらえていないが、関連を指摘する専門家もいる。

気象庁の長谷川洋平・地震津波監視課長は13日、記者会見し「1週間程度は最大で震度5弱程度の余震が起きる可能性がある」として、今後も土砂災害などへの注意を呼びかけた。同日午前11時までに体に感じる余震を11回観測した。
近畿地方は地盤が東西方向に押されている。阪神大震災は野島断層が水平方向にずれる「横ずれ断層型」でマグニチュード(M)7.3だった。
気象庁の長谷川課長は、今回の地震は「東西方向に押し合う力がかかり、岩盤が垂直方向にずれる逆断層型」と説明。震源は阪神大震災の余震域の南端に位置するが「直接的な余震といえるかはわからない」とした。ただ「断層の端では異なるメカニズムで地震が発生する可能性もある」と指摘。同庁は今後、観測データを詳しく分析する。
これに対し、遠田晋次・東北大教授は「阪神大震災の余震と考えておかしくない」と指摘する。今回の震源付近では最近までM1~2程度の微小な地震が高い頻度で続いていたといい、「阪神大震災で生じたひずみが解消できていなかった」とみている。
一方、岡田篤正・京都大名誉教授は「すべり残っていた野島断層の南西部が動いた可能性はないだろう」と指摘。95年の地震の直接的な余震ではなく、近くにある志筑断層という別の断層が動いた可能性があるとした。
国内で最大震度6弱の地震は2011年4月12日に福島県などで6弱を観測して以来。同年3月の東日本大震災以降、東北地方などで微小な地震が増えているが「兵庫県付近では地震活動は活発になっていない」(気象庁)。また、今後の発生が懸念される南海トラフ巨大地震との関係について同庁は「今回の地震で南海トラフ地震の発生が近づいているとは考えていない」としている。
今回の地震を受け、政府の地震調査委員会は14日に臨時会合を開く。