国交省、JR北海道に立ち入り データ改ざん疑惑
JR北海道でレール幅の検査データに改ざんの疑いが浮上した問題について、太田昭宏国土交通相は12日の閣議後の記者会見で「事実であれば誠に遺憾で、あってはならないこと」と述べ、同社に対し鉄道事業法に基づく立ち入り検査を始めたことを明らかにした。
JR北海道は11日夜、レール幅のズレなどについて、現場の保線管理室で記録したデータと本社に報告されたデータに食い違っていた疑いがあり、改ざんされた可能性も含めて緊急の照合調査を始めたと発表した。
一方、国交省は事態を重視し、JR北海道の内部調査と並行して、同日夜から同社本社に職員4人を派遣。同社関係者から聞き取りをするとともに、資料の提出を求めるなどしている。
JR北海道によると、線路の分岐点など大型計測器を使いにくい場所は手作業で測り、「野帳」と呼ぶ台帳にデータを記入。その後に管理室へ持ち帰ってデータベースに入力し直す。同社はこれらのデータに差異がないか照合作業を進めているとみられる。
国交省が9月に実施した特別保安監査では、レール幅が基準値を超えて広がるなどの異常が北海道全域の270カ所で見つかった。10月にも追加監査に入り、一連の問題を巡り同省はこれまで2回の改善指示を同社に出している。
鉄道事業法では国交省の特別保安監査を忌避した場合、100万円以下の罰金と規定。同省は立ち入り検査でデータの改ざんが疑われる事実が確認されれば、追加監査の実施も検討している。