共有ソフトでわいせつ動画公開容疑、8人逮捕
警察庁は9日、警視庁や愛知、兵庫など5都府県警が7、8日の2日間で実施したファイル共有ソフト「パーフェクトダーク(PD)」を使ったインターネット上のわいせつ動画像陳列事件の一斉集中取り締まりの結果を公表した。PDを使用した手口に特化した集中取り締まりは初めてで、5都府県警は22~55歳の男性8人を逮捕し、19カ所を捜索した。
警察庁によると、PDは「ウィニー」や「シェア」の後継とされるソフト。従来のソフトより発信元が特定しにくく、わいせつ関連や著作権法違反事件など、PDを利用したサイバー犯罪の摘発は難しいとされ、過去の摘発は京都府警などの3件のみ。警視庁などは、PDを利用すると匿名性が高まるため、発信元の端末が遠隔操作ウイルスに感染している可能性を視野に解析作業も行った。
警視庁では9日までに、PDを通じて大量のわいせつ動画をネット上に公開したとして、会社員ら3人をわいせつ電磁的記録記録媒体陳列容疑で逮捕した。
同庁によると、3人は「PDは他の共有ソフトに比べ匿名性が高く、摘発されないと思った」などと容疑を認めている。
同庁は4人の誤認逮捕を招いたパソコン遠隔操作事件を踏まえ、わいせつ動画の発信者を特定する過程で、民間のセキュリティー会社「ネットエージェント」(東京)に協力を依頼。共同でパソコンの元データなどの解析を進めた結果、遠隔操作ウイルスに感染した形跡がないことを確認した。
3人の逮捕容疑は今年5~8月、自宅パソコンのハードディスクに保存されていたわいせつ動画をファイル共有ソフトに組み込み、ネット上に公開した疑い。