「声の加工不十分で襲撃」和解 読売テレビと男性
薬物の不正売買について報じた読売テレビ放送(大阪市)の番組に取材協力した男性が「身元を隠すための声の加工処理が不十分で、放送直後に襲われ負傷した」として、同社に約6300万円の損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁で和解したことが6日、分かった。
男性側によると和解は6月3日付で、読売テレビが男性に解決金100万円を支払う内容。
訴状などによると、男性は、生活保護受給者らが医療扶助制度を悪用して入手した向精神薬を暴力団関係者に売っているとの疑惑の取材に匿名で協力。2010年12月放送の番組では顔は画像処理されたが、声はそのままだった。男性は放送後、何者かに襲われて重傷を負った。
和解について、男性側は「容疑者が捕まっておらず、報道とけがの因果関係の立証が難しく、裁判所の勧告もあった」と説明。読売テレビ総合広報部は「因果関係はないと考えているが、裁判所の勧めに応じた」とコメントした。