米コロンビア大教授「1ドル=100~120円が適正水準」
日本経済研究センターは4日、同センター設立50周年を記念して東京・大手町の日経ホールで「持続可能な開発と企業の役割」をテーマに討論会を開いた。
来日したコロンビア大のジェフリー・サックス教授は基調講演で「日本の省エネ技術は世界でも最高水準。世界の汚染された都市をきれいにできる」と語った。パネル討論では、三井物産の木下雅之専務執行役員が「現地でのビジネスは、地場に根付いた事業にすべきだ」と指摘。沢田康幸東大教授は「内向きになっている若者が、外向きになれるような環境整備が必要だ」と話した。
サックス教授は講演後の日本経済新聞のインタビューで、外国為替相場について、「1ドル=100~120円が適正水準だ」と発言。2008年のリーマン・ショック後に円高が進んだのは、「(緩和に消極的な)日本の金融政策の失敗」と分析した。政府・日銀が掲げた物価目標2%の達成時期は明言を避けた。
日本の財政再建目標に関しては「赤字が続き、債務の負担も大きく難しい」とし、「歳出削減では赤字を減らせるとは思えない。(化石燃料が含む炭素に課税する)カーボン税などの導入で税収を上げるべきだ」と述べた。
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