三菱UFJ、タイ大手銀の買収を正式発表
三菱UFJフィナンシャル・グループは2日、タイ大手のアユタヤ銀行を買収すると正式に発表した。11月からTOB(株式公開買い付け)を実施し、株式の51%以上を取得する。邦銀がアジア大手銀の経営権を握るのは初めて。アジアを舞台に中小企業や個人向けを含む総合金融サービスを展開する。
アユタヤ銀の株式25%を持つGEキャピタルはTOBに応じ、タイでテレビ局などを展開するラタナラック家は25%の持ち分を維持する。三菱UFJの出資割合は最大で75%となる。買収総額は出資比率が51%の場合は約3800億円、75%の場合は5600億円。邦銀のアジアでのM&A(合併・買収)では過去最大だ。
アジア事業を巡っては三菱UFJが5月にベトナム2位の産業貿易商業銀行に約600億円出資したほか、三井住友銀行はインドネシアの年金貯蓄銀行に1500億円出資すると発表した。アジアの商業銀行業務は、現地銀並みの拠点網を持つ英HSBCや米シティグループが先行する。成長市場での競争がますます激化しそうだ。
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