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4代目はチアリーダー、村田製作所の最新型ロボット

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日経エレクトロニクス

村田製作所は、10台のロボットが編隊を組んで協調動作する玉乗り型のロボット「村田製作所チアリーディング部」を開発した。2014年9月25日に開催した会見で披露したほか、10月7日から開催される「CEATEC JAPAN 2014」でも実演する。

同ロボットは、1991年の初代「ムラタセイサク君」、2005年の2代目「ムラタセイサク君」、2008年の「ムラタセイコちゃん」に続く、同社が開発した4代目のロボットである。これまでと同じく外販の予定はないが、「幅広い世代のイノベーターを応援したい」(同社)という意味から、4代目はチアリーダー型にしたという。

前回のムラタセイコちゃんは、ムラタセイサク君の「父方の年下のいとこ」で「幼稚園の年長」という設定だったが、今回のロボットは、「好奇心旺盛な小学校高学年」との設定だという。

10台が協調して動作

特徴は、本物のチアリーダーと同じく、集団が協調して動作する点である。集団全体を制御するホストとなるPCがあり、ロボットとは920MHz帯の無線通信で接続してある。

ロボットは頭部に実装したセンサーにより自己位置を認識し、その情報をPCに送る。PC側では、その情報を基に、チアリーディングのための編隊などの動作指令を行うという仕組みである。10台の群制御の部分は、京都大学松野研究室と共同で開発した。

ロボットの自己位置認識には、頭部に設置した超音波センサー(5個)と赤外線センサー(4個)を使う。ロボットがチアリーディングを行う4×4mの演台の左右に、超音波と赤外線を発信する発信器が1台ずつ、設置してある。ここから超音波と赤外線を周期的にビーコンのように送る。

自己位置認識は、光と音の到達時間の差を利用して行う。二つの発信器からの距離と角度を計測する。ロボット側では、赤外線をトリガーにして発信器からの超音波の到達時間を計る。超音波は、左右で区別が付くよう変調してあるという。こうした超音波を用いた自己位置認識技術は、プロアシストと共同で開発した。

姿勢制御は三つのジャイロセンサー

ロボット単体の姿勢制御には、ジャイロセンサーを利用した。ロール、ピッチ、ヨーのそれぞれの軸について、1個のジャイロセンサーを実装してある。ロボットが乗っている玉は、市販のステンレス製の中空のボールに滑り止め用のコーティングを施したものである。これを、ロボット下部の三つのタイヤで回し、バランスを取る。

ロボットの制御モジュールなどプラットフォーム部分は、ロボット関連製品を手掛けるヴイストンと共同開発した。

今回のロボットは、2012年夏ころに企画がスタートした。その後、2013年ころから実際の開発がスタートする。社内では有志の14人ほどが参画し、社外も加えると総勢20人ほどのプロジェクトだったという。

デジタル機器の開発には、スピードが求められる時代になっている。開発スピードを速めるには、時として社外の力を利用することも必要だ。村田製作所のこれまでの3代のロボットと異なり、今回のロボットの開発で社外のリソースを積極的に活用したのはそうした理由からだ。

(日経エレクトロニクス 進藤智則)

[日経テクノロジーオンライン 2014年9月25日掲載]

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