東理HD社長が関与を否定 就学支援金詐取
国の就学支援金の不正受給事件で、運営する高校が詐欺容疑で家宅捜索を受けた東理ホールディングス(HD)の福村康広社長が9日、東京都中央区の本社で記者会見し「法律違反しているという認識はない」と述べ、不正受給への関与を否定した。
福村社長は、同社傘下の「ウィッツ青山学園高校」(三重県伊賀市)が生徒3人分の支援金計約90万円を不正受給した疑いで東京地検特捜部の捜査を受けていることも明らかにした。
支援金は国が生徒の授業料の一部を肩代わりする仕組みで、本来は高校に支払われる。同社によると、ウィッツ青山学園高校は国から受給した支援金(約12万~30万円)から単位認定料約12万円を引いた残りの金を、高校とは認められない通信制キャンパス(東京・千代田)に渡していた。
文部科学省は「就学支援金を通信制キャンパスが受け取るのは問題がある」としている。
特捜部は8日、東理HDやウィッツ青山学園高校などを詐欺容疑で強制捜査した。特捜部は同校などが組織的に不正受給していた疑いもあるとみて実態解明を進める。