独バイエル、米モンサント買収へ交渉 両社が発表
【ニューヨーク=稲井創一】独医薬・農薬大手バイエルは19日、農薬・種子最大手の米モンサントと買収へ向けた交渉をしていると発表した。モンサントも18日、バイエルから買収提案を受けたと発表した。買収額は400億ドル(約4兆4千億円)を上回る可能性がある。買収価格などを巡り今後、両社の駆け引きが激しくなりそうだ。
バイエルは発表文で、最近、バイエルの幹部がモンサント幹部に会い、買収することで交渉したことを認めた。買収で生命科学の技術革新を促し、世界をリードする農業関連事業を創造できると強調している。一方、モンサントは取締役会がバイエルの提案内容を吟味しているという。
農薬・種子業界では、昨年12月にダウ・ケミカルとデュポンが経営統合で合意した。両社の農薬・種子事業を統合するとモンサントを上回り、業界トップに躍り出る公算となった。今年2月には、中国国有化学大手、中国化工集団がシンジェンタ(スイス)を430億ドルで買収することで合意。残されたモンサント、バイエル、BASFの動向が注目されていた。