中国の銀行収益、伸び鈍化 上場16行の1~3月純利益3%増
【上海=土居倫之】中国の銀行の収益力は鈍化が著しい。上海・深圳取引所に上場する商業銀行16行の2015年1~3月期の純利益合計は、前年同期に比べ3%増にとどまった。段階的な預金金利の自由化に伴い、預金による資金調達コストが上昇しているうえ、不動産市況の悪化で不良債権が増えているためだ。
1~3月期は最大手の中国工商銀行が同1.4%増にとどまるなど四大国有銀の増益率はいずれも1%台だった。
中国人民銀行(中央銀行)は各銀行の預金金利の設定の自由度を段階的に拡大しており、現在は人民銀が定める基準金利の最大1.3倍まで設定が可能だ。このため支店網の少ない地方の中小銀行を中心に、上限近くまで預金金利を引き上げる動きが相次いでおり、預金獲得競争が激しくなっている。
金利自由化の進展次第では、16行の15年12月通期の純利益合計は前期比マイナスに転落する可能性も否定できない。