北朝鮮制裁強化、米中が大筋合意 安保理決議案巡り
【ニューヨーク=高橋里奈】北朝鮮による9月の核実験を受けた国連安全保障理事会の制裁強化の決議案を巡り、米中が大筋合意したことが23日わかった。制裁強化を求める米国と北朝鮮の最大貿易国である中国が、石炭など鉱物資源の取引の規制強化などを巡り歩み寄ったもよう。安保理では来週にも採択を目指すが、拒否権を持つロシアが難色を示している。
北朝鮮が9月9日に実施した5回目の核実験を巡り、米国が主導する制裁強化の交渉は中国の反発で2カ月半近くまとまっていない。安保理外交筋は「制裁強化の決議を採択すべき時期に来ている」とし、来週にも採択を目指すとの意向を示した。ただ前回の交渉と同様に最終段階でロシアが難色を示す可能性があり、円滑に決着するかは不透明だ。
安保理は3月、北朝鮮の1月の核実験を受け、北朝鮮に出入りする全貨物の検査など厳しい内容の制裁決議を採択した。国連加盟国に北朝鮮からの石炭や鉄、鉄鉱石の輸入を禁止するとしたものの「北朝鮮市民の生活に関わるものは除く」など例外規定を設けた。これが抜け穴となって中国との貿易が続き、北朝鮮は貿易で得た資金をさらなる核開発に投じた可能性がある。今回の交渉ではこの「抜け穴封じ」が焦点となっている。
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