ギリシャ、財政改革法案可決 支援条件クリア
【アテネ=小滝麻理子】ギリシャ議会は23日未明(日本時間同日午前)、銀行の破綻処理手続きなどを柱とする財政改革法案の第2弾を賛成多数で可決した。これでギリシャは欧州連合(EU)側から金融支援と引き換えに求められていた条件をクリアしたことになる。EUとギリシャは支援開始に向けた手続きを本格化させ、8月中旬にも新たな金融支援を正式決定したい考えだ。
ギリシャ政府は16日、EUから求められていた増税や年金改革関連法案を成立させている。今回の法案が金融支援のためのもうひとつの条件だった。
ギリシャ議会は300議席の一院制。賛成は230票、反対は63票だった。地元メディアによるとチプラス首相率いる急進左派連合(SYRIZA)の議員149人のうち36人が造反した。一方、最大野党の新民主主義党(ND)などEU寄りの野党が賛成に回った。
可決したのはギリシャの金融システムや訴訟制度の安定性を高めるための法案。銀行が破綻した場合に保護する預金額を一定基準に抑える制度を導入する。民事訴訟の手続きを簡略化し、費用を減らす司法制度改革も進める。
採決に先立ち演説したチプラス首相は「第3次金融支援を始めるための一歩だ。ギリシャにとってよりよい支援内容をつくる」と話し、緊縮策に反発する一部議員や国民に理解を求めた。
今後、EUはギリシャ向け支援の詳細を決める作業に移る。焦点はギリシャ側が求める債務減免だ。大幅な減免に慎重なEUに対して、国際通貨基金(IMF)はギリシャの経済再生のための思い切った減免を主張している。
EUはギリシャに対し、今後3年間で820億(約11兆円)~860億ユーロの金融支援をする方針だ。正式決定までの「つなぎ資金」としてギリシャに約70億ユーロを緊急融資することも決めている。
チプラス首相の改革実行力も課題になる。相次ぐ造反で与党内の結束は揺らいでいる。秋に解散・総選挙を実施するとの見方も根強く、政権基盤の安定が求められる。