電子たばこ広告、米中高生の7割閲覧 疾病センター警告
【ワシントン=長沼亜紀】米疾病対策センター(CDC)は5日、米国の中高生の10人に7人が「電子たばこ」の広告を見ているとの報告書を発表した。電子たばこは、ニコチンや味のついた添加物を含む溶液を気化し蒸気を吸う。報告書はニコチン依存予備軍がつくられていると警告している。
全米の11歳から18歳までの生徒約2万2000人を対象にした2014年の「全米若者たばこ調査」のデータを分析した。68.9%が小売店、オンライン、テレビ・映画、新聞・雑誌のいずれかで電子たばこの広告を見たことがあると回答した。
CDCのトム・フリーデン所長は「子供をニコチン依存にするために、たばこ産業が用いてきた同じ宣伝手法が、新しい世代を電子たばこに引き寄せるために使われている」と指摘し、電子たばこの販売規制の必要性を訴えた。
電子たばこは健康被害が少ないとして利用が急速に広がっているが、CDCは「いかなる形態でも若者によるたばこの使用は安全ではない」としている。大半の州で未成年への販売を禁止する法律が成立しているほか、米食品医薬品局(FDA)も規制を提案している。
CDCによると、14年に電子たばこを使った高校生は13.4%に上り、11年の1.5%から急増した。中学生は14年に3.9%と11年の0.6%から増えた。14年の電子たばこの広告費は1億1500万ドル(約140億円)となり、11年(640万ドル)の約18倍に膨らんだと推定されている。