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公的年金、全保有株を開示 銘柄・株数・時価総額…

運用の信頼性確保

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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は保有する全ての株式や債券の時価総額などを個別に開示する検討に入った。これまで資本市場への影響を避けるため、個別の株式や債券への投資額は公表していなかった。開示の強化で透明性を高め、年金運用の信頼性を向上する狙いだ。

GPIFは年金資金の出し手である労使を代表する経団連や連合などに複数の開示案を示して調整を進めている。7月に開催予定の社会保障審議会年金部会で正式に提示し、開示方法を決める。7月29日に公表する15年度の運用成績と併せ、保有する個別資産の状況を初めて明らかにする。

GPIFは3つの開示案を検討している。1つは株や債券、オルタナティブ(代替資産)など保有する資産の16年3月末時点の個別銘柄や時価総額を開示する案だ。最も開示の透明性が高い。2つ目の案は時価総額の大きい銘柄のみ16年3月時点の状況を開示し、その他は数年後に開示する。3つ目は直近の保有状況は明らかにせず、数年前の状況を公表する。

株式の開示項目は銘柄名、株数、時価総額の3点だ。GPIFの投資した時期が明らかになる懸念があるため簿価は公表しない。債券は発行体の名称と時価総額を公表する。

直近の保有状況を全て開示するようになれば、GPIFの説明責任も重くなる。例えば、長い間赤字が続いているにもかかわらず、他の企業よりも過大に投資している場合などに説明が求められるようになる。これまでは日本株全体にいくら投資しているかは公表しているが、企業別の投資額は分からなかった。

一方、GPIFの開示により流動性の低い銘柄や小型株では思惑を呼び、投機の対象になる恐れがある。一部の企業では政府の影響を懸念する声もある。

海外では全ての投資状況を開示しているケースが多い。世界最大の政府系ファンド、ノルウェー政府年金基金やカナダ年金計画投資理事会(CPPIB)などは全銘柄をホームページで開示している。韓国の国民年金公団は上位10銘柄のみにとどめている。

▼年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) 国民年金と厚生年金の保険料を一括して運用している。資産額は昨年末時点で約140兆円に及び、世界最大の機関投資家ともいわれている。金融市場での運用は前身の年金福祉事業団が1986年から始めた。2006年に独立行政法人のGPIFに衣替えした。

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