電力・ガスの分社化、22年までに 経産省が法改正案
経済産業省は17日、東京電力など電力9社と東京ガスなど都市ガス3社に対し、2022年までの分社化を義務づける法改正案を自民党の部会に示した。電力会社の送配電部門は20年4月、大阪、東邦を含めた都市ガス3社の導管部門は22年4月に分社化する。電力やガスの小売りに参入する企業が、インフラを使いやすくする狙いがある。
経産省は同日、建物に温水などを流す熱供給事業への参入を16年に自由化する法案も提示した。電力やガス販売の自由化の進展具合を監視する新機関を今秋にも設置する法案と合わせ、今国会での成立を目指す。
送配電部門や導管部門が同じ会社のままだと、電力会社や都市ガス会社が異業種の企業の利用を妨げる恐れがあった。電力は16年、ガスは17年に家庭向け小売りへの参入を自由化する。今後5~7年で分社化も進めることで、電力やガス販売の競争を促進して料金を引き下げたい考えだ。
同日の自民党部会では「原発が再稼働しないまま電力の分社化を進めれば安定供給に支障が出る」「ガスの分社化により保安が損なわれる」といった慎重論も上がった。
経産省は電力やガス会社の経営状況や原発の動向を検証した上で分社化を進める条項を法案に盛り込むことで、理解を得たい考えだ。政府は月内の閣議決定を目指し、与党との調整を急ぐ。
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