安倍改造内閣発足へ 環境・望月氏、行革・有村氏
安倍晋三首相は3日午後、第2次政権発足後初の内閣改造を実施する。環境相には望月義夫行政改革推進本部長の起用が内定。少子化相に就く有村治子氏は行革相と、新設の女性活躍相を兼任する。閣僚18人のうち初入閣は8人。女性は過去最多に並ぶ5人となる。来年10月に消費税率を10%に引き上げる判断や、来春の統一地方選に向け、政権基盤を固める狙いだ。
首相は3日午前、首相官邸で記者団に「新たなスタートに向けて一層気を引き締めていきたい」と述べた。
内閣改造に先立ち自民党臨時総務会で、新たな党役員の体制も決めた。幹事長に前法相の谷垣禎一氏、総務会長に二階俊博衆院予算委員長、政調会長に前行政改革相の稲田朋美氏をそれぞれ起用した。
この後、官邸に組閣本部を設置。午後2時ごろ、留任する菅義偉官房長官が閣僚名簿を発表し、新閣僚を呼び込む。皇居での認証式を経て、夕方に第2次安倍改造内閣が発足する。
環境相に内定した望月氏は衆院当選6回。外務政務官や国交副大臣を歴任した。第2次安倍内閣で国家公務員制度改革などを党側で主導した実績が評価された。
科学技術担当相に就く山口俊一氏は沖縄・北方相を兼任。拉致問題相に就く山谷えり子氏は国家公安委員長を兼ねる。
菅氏のほか、麻生太郎副総理・財務相、岸田文雄外相、甘利明経済財政・再生相、下村博文文部科学相、太田昭宏国土交通相の6人が留任。主要閣僚の続投は政策の継続性への配慮と、政権運営を引き続き安定させるためだ。
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を抱える農相には党側のとりまとめ役だった西川公也氏を起用。地方活性化に向けて新設する地方創生担当相にはベテランで前幹事長の石破茂氏を充て、関係省庁の縦割りの弊害をなくして政策を推進する。集団的自衛権の行使容認などに関する法整備を所管する安全保障法制担当相は、防衛副大臣などを歴任し安保政策に詳しい江渡聡徳氏が就く。
新閣僚には首相と近い人材も目立つ。第1次内閣で官房長官を務めた塩崎恭久氏を厚生労働相に、側近で前政調会長の高市早苗氏を総務相にそれぞれ起用した。初入閣の山谷氏は首相とともに北朝鮮による日本人拉致問題に取り組んできた。
女性閣僚5人の起用は2001年の小泉内閣に並ぶ過去最多となる。当時は2人が民間人からの起用だったため、女性国会議員の入閣人数としては最多記録を更新する。成長戦略で重視する女性登用に向けて、政府の積極姿勢を印象づける。