楽天、爽快ドラッグを買収 89億円で
楽天は28日、生活雑貨のインターネット通販を手掛ける住友商事の子会社、爽快ドラッグ(東京・千代田)を約89億円で買収すると発表した。12月中に全発行済み株式を現金で取得し、完全子会社化する。ミネラルウオーターや洗剤など生活雑貨を幅広く扱う爽快ドラッグを傘下に入れ、日常的に通販サイトを使う利用者を囲い込む狙いだ。
爽快ドラッグは株式の約95%を住友商事が保有している。2016年3月期の売上高は前の期比20%増の310億円と好調だった。楽天は、完全子会社化による業績への影響は「現時点では見積もりが困難」としている。
楽天の業績はネット通販の競争激化から伸び悩んでいる。2016年1~6月期の連結中間決算は営業利益が前年同期比11.8%減の487億円、純利益は同4.3%減の265億円。主力のネット通販「楽天市場」や「楽天トラベル」などで販管費が膨らみ、利益を圧迫した。
楽天は定期的な購入が見込まれる洗剤など生活日用品や飲料・食品を成長分野として位置づけており、爽快ドラッグの買収を決めた。定期購入が多い医薬品の分野で、2015年にケンコーコムを傘下に収め、医薬品や健康関連商品の取り扱いを強化していた。