賃上げ獲得額、中小が大企業上回る 自動車総連まとめ
自動車総連は4日、2017年の春季労使交渉のベースアップ(ベア)の回答状況を発表した。同日までにベアの回答があった労働組合のうち、組合員数300人未満の中小の労組の平均獲得額が大企業の平均を上回った。都内で記者会見した相原康伸会長は「賃金改善の面積を広げていくために必要な中堅中小が大変光る結果になった」と話した。
4日午前9時時点での回答を集計した。300人未満労組の平均獲得額(単純平均)は16年の最終の平均と比べて約9%増の1274円だった。3000人以上の平均1253円を上回った。
業種別では販売での人不足などが影響した。相原会長は「大変厳しい人材獲得競争のなかで、経営者が働く人に対する期待値を精いっぱい示した結果だろう」と分析した。
また、「自動車産業においては(国内販売)数量が伸びないなか、コスト削減のしわよせが中堅中小にいっていたのは事実」としたうえで、「前向きな対応に評価したい」とも説明。300人未満だけでなく、300~499人の規模の労組でも前年の同時期と比べても獲得額が大きく上回る回答を引き出せていることを評価した。(湯沢維久)