江戸前期「幻の俳書」見つかる 「白根草」金沢で
江戸時代前期に加賀、越中、能登などの俳人310人が詠んだ俳諧の選集で、作者や句数を記した最終巻の写本しか現存しないため「幻の俳書」と呼ばれていた「白根草(しらねぐさ)」の上巻が金沢市内で見つかったことが20日までに、分かった。
白根草は、俳諧師の神戸友琴(かんべ・ゆうきん)が1680年に編さん。大西紀夫・富山短期大名誉教授(俳文学)が7月下旬に金沢市の古書店で発見した。春と夏の計644句が季語ごとに並んでいた。当時の流行の言葉を交えて生活の様子を描いているという。
大西名誉教授は「上巻が見つかっただけで幸運。技術や内容の秀でた句ではないが、庶民の好みや感情がよく分かる貴重なもの」と話している。〔共同〕