脂肪幹細胞、低酸素下で増殖促進 関西医大チーム解明
筋肉や骨、神経などの細胞や組織になる能力がある「脂肪幹細胞」を低酸素下で培養すると、通常よりもよく増殖するようになることを関西医科大(大阪府枚方市)の覚道奈津子助教(形成外科学)のチームが解明し、米オンライン科学誌プロスワンに15日発表した。
チームは「脂肪幹細胞を大量に増やす技術として低酸素での培養が有効である可能性を示した。脂肪幹細胞を用いる再生医療への応用が期待できる」と説明している。
チームは、人の下腹部の脂肪組織から採取した脂肪幹細胞を使用。これを1%の酸素濃度の環境下で培養すると、7日後には、空気中と同じ酸素濃度の場合と比べ、細胞数が1.6倍になった。増殖の促進には、FGF2というタンパク質が関与していることも突き止めた。
酸素濃度を変えると細胞の増殖の仕方などに影響することは知られているが、脂肪幹細胞でどうなるかは不明だった。〔共同〕