電通女性社員の自殺は労災 三田労基署、残業倍増を認定
広告大手の電通に勤めていた高橋まつりさん(当時24)が昨年12月に自殺したのは、直前に残業時間が大幅に増えたのが原因だとして、三田労働基準監督署(東京)が労災認定していたことが7日、分かった。遺族代理人の川人博弁護士が明らかにした。認定は9月30日付。
川人氏によると、高橋さんは東大卒業後の昨年4月、電通に入社し、インターネット広告などを担当した。本採用となった10月以降、業務が増加し、11月上旬にはうつ病を発症したとみられる。12月25日、東京都内の社宅から投身自殺した。
労基署は発症前1カ月の残業時間は月約105時間に達したと認定。2カ月前の約40時間から倍増していた。
高橋さんは「土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい」「休日返上で作った資料をボロくそに言われた もう体も心もズタズタだ」などの言葉を会員制交流サイト(SNS)などで発信していた。
電通は取材に「社員の自殺については厳粛に受け止める。労災認定については内容を把握していないので、コメントは差し控える」と説明した。
都内で記者会見した母親の高橋幸美さん(53)は「労災認定されても娘は二度と戻ってこない。過労死等防止対策推進法が制定されたのに、過労死は起きた。命より大切な仕事はない」と訴えた。〔共同〕
関連企業・業界