日銀、2年連続で黒字 4~9月、大規模緩和で国債利息拡大
日銀は26日、2014年4~9月期決算で、企業の最終利益にあたる当期剰余金が前年同期比で1872億円増え、5878億円になったと発表した。13年4月に導入した量的・質的金融緩和で市場から大量に買い入れた国債の利息収入が増えたことが主因だ。上半期の黒字は2年連続で、07年度上期の6101億円以来の高水準となった。
長期国債の利息収入は前年同期に比べ1665億円多い5066億円となった。運用利回りはほぼ横ばいだったが、9月末の長期国債の保有残高が1年前に比べ53.7兆円増えたことが効いた。
日銀が保有する有価証券の主な評価益は、株高を背景に上場投資信託(ETF)が1兆3720億円と3月末から3747億円増えた。不動産投資信託(REIT)も3月末より194億円多い627億円となった。
外国為替市場で円安・ドル高が進んだため、外貨建て資産の為替差益を3055億円計上し、その半額を外為取引の損失に備えた引当金の積み立てに充てた。自己資本比率は3月末比0.02ポイント高い7.76%と、01年度(8.38%)以来の高水準となった。ただ日銀が財務の健全性の目安とする8%は下回った。