SSとは「ショートショート」あるいは「ショートストーリー」の略で、一般に短編よりもさらに短い小説のことを言いますが…
小説をコンパクトに短くまとめるのって、結構大変なんです。
少ない文字数にボリュームのある内容を詰め込もうとすると、どうしても説明不足に陥りがちですし、描写に文字数をかけられない分、味気ないものにもなりかねません。
しかし、読書離れ、本離れ、活字離れなどが囁かれるこのご時世…読書に慣れない世代・客層には長文が忌避される傾向にあります。
この厳しい出版不況の時代の中で、それでも広く、多くの読者を獲得したいなら、短文スキルを身につけておくことは必須なのではないか…そんな危機感が、自分にはありました。
…そんなわけで「1話完結の物語を、なるべくコンパクトにまとめよう」ということで始めてみた一連の習作が、この恋愛SSシリーズ「まるで純度の高い恋の結晶のような…」略して「純恋結晶」というわけです。
(ちなみにシリーズ・タイトルは「…」の後に何となく各話のタイトルを繋げられるようにしたかったのと、「略したら、それだけでも意味のありげな単語になる」というコンセプトで決めています。)
自分はこれまで長編・中編ばかり書いてきたので、正直SSというものが書けるかどうか自信が無かったのですが…
やってみたら案外、さくっと楽しんで書けました。
(たぶん、元々こういう実験的なチャレンジや試行錯誤が大好きな性格だからかと思います。)
文字数は「もくじ」ページを見ていただければ分かる通り、(ピクシブさんの文字カウントで)最少479文字、最多のもので2962文字となっています。
400字詰め原稿用紙に換算すると8枚にも満たない小説ということになります。
コンパクトにまとめることができた要因のひとつは「主人公のモノローグ形式を採用した」ことにあると思います。
語り手が主人公本人であれば、状況説明と心情説明を同時にすることも可能なので、その分、文字数の節約になります。
さらには客観的な「神の視点」ではなく主観的な語りにすることで「エモさ」が出しやすく、コンパクトにまとめても、無味乾燥な「ただのダイジェスト」や「あらすじ」ではなく、「れっきとした小説」に仕上げられます。
…まぁ、このシリーズの場合、モノローグにしてもちょっと変わった形式を採用しているので、その辺がいろいろとアレなのですが、それについてはまた時間のある時にでも語りたいと思います。
テーマ : 心のつぶやき
ジャンル : 小説・文学