「失われた20年」なのに、日米の実質GDP成長率は同じ!?

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Google Labs - Public Dataで遊んでいたら、ちょっと意外なことに気づきました。

世界銀行のいろいろなデータを簡単にグラフ化できるツールなんですが、まずこれを見てください。
1961年から2010年までの日本、米国、中国の「GDP」(国内総生産)推移です。

◆GDP推移
GDP推移(1961~2010年)
(Google Labs - Public Dataより。USドルでの名目GDPで、物価変動の影響は考慮されていません)

よく見かけるグラフですね。
米国がぶっちぎりの1位ですが、最近、日本が中国に追い抜かれ、中国が世界第2位の経済大国になったというお話は、もはや食傷気味かもしれません。
日本の直近のGDPは、1995年頃と同じくらい。
「失われた20年」などと言われ、もうダメだなぁというイメージが刷り込まれているかもしれません。

ところが、視点を変えて、「実質GDP成長率」の推移を表示してみたところ……
◆実質GDP成長率推移
photo_20111119_2.jpg
(Google Labs - Public Dataより。実質GDPの前年比です。実質GDPは名目GDPから物価変動の影響を除外した値)

おや?
日本と米国は似たり寄ったりで、直近の2010年なんか、日本は米国よりも上をいっているではありませんか。

日本は長らく続くデフレのせいで、「名目GDP」が伸び悩んで見えます。
でも、物価変動の影響を除外した「実質GDP」の成長率では、米国と同じくらいのレベルでそこそこ成長してきたんだなぁということが分かります(リーマン・ショック時は除きますが)。

常々思うのですが、新聞等マスコミはネガティブな情報ばかり報道しますよね。
しかも、それをグラフ化(図解)するのが本当に得意です。
そして、私たちは同じようなネガティブグラフを何度も見せられ、その形が頭に刷り込まれてしまいがちです。

でも、データの切り口を自分であれこれ変えてみると、あまり見たことがない形のグラフが現れ、意外な気付きが得られることがあります。
Google Labs - Public Dataは、GDP意外にも人口やネット利用者数など、いろいろな指標で世界各国を客観的に比較でき、面白いです。

おかげで、少し日本を見直しましたとさ。
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