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8月も冷夏の予感
異常気象の影響はまだまだ続く…
記録的日照不足、8月も冷夏の予感 エルニーニョ影響か
異常気象がずっと続いている。関東は「梅雨明け宣言」が出たにもかかわらず、すかっとした青空が広がったのはほんの数日で、後は分厚い雲の隙間から日の光が差す、という気象事態が続いている。空気が重く、蒸し暑い。ヒートアイランド現象も手伝って、人間は蒸し器の中で暮らしているような感覚を受ける。
ここ最近の日本を気象面から見ると、9年前に某NGOが企画したツアーで訪問したフィリピンを思い出す。あの国の空気も、どんよりと重かったな。地理学から見たら、日本は「温暖気候」に属するはずなのに、今はまるで「亜熱帯気候」のような感覚である。朝方は涼しいのだが、時間がたつにつれて蒸し暑くなってくる。今日も蒸し暑さに耐えかねて、クーラーを入れながらこの記事を書いている。
こんな天候が続いているから、日照時間不足も深刻だ。昨年同時期比較で、昨年とほぼ同じなのは「沖縄・奄美」地方だけ。太平洋側では8割に満たず、日本海側に至っては半分がやっとだ。日照時間不足は作物の生育にも影響を与える。今年も、すでに野菜等が高くなり始めている。漁業も、旬とは関係のない魚が大量に水揚げされているというニュースが入ってきている。気象庁は、今後もこの天候が続けば、米の生長にも深刻な影響が出るとしている。
「米がとれないから飢え死にするしかない」
と悲壮感たっぷりにつぶやき、その場に居合わせていた政治家は
「日本の農政は戦後、米農家に『単一の種類』しか植えないよう指導してきた。昔はいろんな種類の作物を育てていたから、これは行政の失敗だ」
と、その農家にお詫びしていたのを覚えている。我が家もなかなか乾かない洗濯物と汗臭くなった毛布カバーにいらつき、母に『新しいカバーを出して欲しい」と文句を言っていた。マスコミはこぞって「前代未聞の異常気象」と書き立てたが、何ら具体的な解決策を読んだ記憶はない。
’98年は、親の仕事の関係で、私は一人暮らしをしていた。その年の夏も異常気象で、梅雨明けと同時に「梅雨冷え」になり、葉物(レタス・キャベツ等)は店頭から消えた。栄養のバランスをとるため、私は市内のスーパーや八百屋をかけずり回り、時には電車に乗って隣町のスーパーまで「遠征」することもあった。この時期の小売店は、どこもかしこも「ぼったくりスーパー」になっていた。普段だったら見切り価格で売られているレタスや野菜まで、異様な値段で売られていたからだ。「消費者をなめているのか!」と毒づきながら、私は野菜を求めて動き回った。
気象庁はこの異常気象の原因を「エルニーニョ現象」としているが、一部ネットでは、今年の異常気象の原因に、昨年オリンピックを開催した中国が、期間中雨が降らないようにロケット弾で、化学物質をばらまいた影響が、今の気象機構につながったという話が出回っているらしい。その話が嘘か真かはわからないが、もしその仮定を立てるのなら、今の異常気象が中国のせいだという証拠を、科学的に立証できなければならない。
この異常気象の原因は、地球温暖化の影響があると思っている。人類はあまりにも野放図に資源を使い、世界中で深刻な生活格差を生み出した。だから「天の神」が、愚かな人類に罰を与えたのだと私は思っているのだが、この意見はあまりにカルトじみているだろうか?