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有識者の危機感@宮下公園

2010 - 04/12 [Mon] - 10:18

 シンポジウム「宮下公園~TOKYO SHIBUYA」の第5回目。
 今回は植松青児氏(みんなの宮下公園を守る会)、稲垣永史氏(プロスケーター)、ピーター・バラカン(ブロードキャスター)各氏の話を掲載する。

 植松氏
 2日前(3月24日)に、本来なら工事主体のナイキによる説明会があるはずだったが、ナイキの社員は、説明会場に姿を見せず、渋谷区の公園化と東急建設の人間だけがやってきた。この件について東京新聞が記事を書いたが、ナイキと渋谷区のトリックに欺されている内容の記事で落胆した。
 結論から言えば、この計画はストップとリセットにつきる。この計画は進んでいるので止めなければならない。この計画には正当性がないと思っているので、ゼロから考えたい。
 最初は、プロセスの問題がある。普通は区議会による予算承認があるが、民間のカネを使うからその必要はないといっている。宮下公園は人口の公園だ。それが古いから整備しようという話は結構だが、マスタープランを出して同意しないと話にならないはずだ。そのあと公募→コンペ→整備という流れになるはずだがが、たたき台になるマスタープランが出ておらず、公募もない。実際は、企業のいうまま選定をしている。本来はコンペなしで計画を進めるはずだったが、2社出てきたのでコンペをやってナイキを選んだ。本来なら他の会社に声をかけるのが筋だが、他社には声をかけていない。 2つめ。改修という名の言葉はまやかしだ。緑地公園を改修するとなぜスポーツパークになるのか?改修されたら緑の公園になるはずだが、なぜかスポーツパークになっている。渋谷区は緑の公園を捨てた。別の機能の公園にしてしまおうというのが渋谷区の計画だ。スケボー等の新設するのは「区民の要望だ」といっている。
 問題3.本当に区民の要望を集めているのか?ドックランとか緑地公園というニーズもあるのに、スケボーだけ選んでしまった。その要望は区だけで決めていいのか?そのプロセスがあったら納得するが、実際は違う。一昨日突っ込んだら、今の公園はいい状態じゃないだろ?と言う答え。これは答えになっていない。公園設計の問題を運用・利用状況の問題にすり替えている。
 決定方法は「コンペ」の形をとっているが、ナイキに決めたのはコンペではない。区がやろうとしていることは「改修」といいながら、別の公園に造りかえようとしている。大事なことは、開かれた議論で決めるべきだ。区のやり方は、お金のある人のいうとおりのやり方である。リセットしたら、恣意的に排除されている人の要望を派除しないことだ。
 区はホームレスを不法滞在者と切って捨てたが、彼らはあるプロセスを経て講演に住み着いている。それはハウジングプアだ。彼らの多くは派遣切りにあい、ここに住んでいる。区は彼らに対してきちんと対策をしていないし、単に不法滞在者として切り捨てるのではなく、ちゃんと聞き入れなければいけない。31日には緊急デモをやる。

 稲垣氏
 自分は(佐野氏の意見と)完全と一致しているとは限らないのだが、’06年に要望を出した時は一緒だった。彼の要望はインラインスケート中心だった。ナイキのスケートパークにいってみたいと思う人も多い。しかしナイキから提示された図面を見ると、一概に悪いとは言えないが、当初の要望とは違う。最初の要望はスポーツ愛好者からの要望だった。要望書には自転車スポーツの利用者もいる。そのために全員が満足できる者はできないのでターゲットが大事なのだが、できあがったものは、こちらが考えていたものとは全く違う。 
 スポーツパークには公的なものと、会社が作ったものがあるが、公的なものはだんだん増えているが、運営はうまくいっていない。うまくいかない原因として、スポーツ愛好家が行政の有力者と絡むケースが多い。今回の問題は、ジョーダンコートの例と似ている。スポーツパークの問題点は、内輪で設置して、騒音問題が出てきて閉鎖されるというのが多い。悪質な利用者が夜中にそこに乱入するからだ。誘致サイドは行政のことを考えておらず、行政サイドは若者の意見を聞いて満足するから、ターゲットがわからないから意味がない。親和性を高めると、作っても無駄になる。
 岡山にアジア最大のスケートパークができたが、つくって1ヶ月も経たずに閉鎖に追い込まれた。突貫工事で建設し、スポーツの施設がいくつもあり、ものすごい規模で作ったのだが、雨が降ってトラックが歪んだのに、修復する予算がなかった。
 こういうのはコミュニケーションが大事だ。手法は正しいが、スケーターなどに話して勧めているのか?今回の問題はそこからずれているから、失敗する可能性が高い。ナイキが今回やったことはあまりよろしくない。
 渋谷区のケースはかなり特殊だ。外来者をターゲットにするのはいいが、コミュニケーションをとってやって欲しい。スケートはスポーツでもあるしカルチャーでもあるし経済活動の側面もある。やり方さえ間違えなければいいものだ。スケート自体は素晴らしいものだから、手法としてちゃんとして欲しい。それだけのバックはあるはずだ。
 みんなが納得した時点でが正しいのだと思う。モノが正しく使われていない。今後はそうあって欲しくない。正しい形でやろうという運動が持ち上がっている。八王子・世田谷ではそういう計画があるので、いいことだと思う。これが大きなコミュニケーションになって欲しいと思う。

 バラカン氏
 似たような事件はたくさんある。私は都立大学駅の近くに住んでいるが、八王子に移転した都立大学の跡地をどうするかで区主催による説明会があった。近隣住民から話を聞いて、何度か区との意見交換に出たが、毎回集まるのは10人くらいで、ほとんどの住民は誰も知らない。区は情報を出しているというのが、広報誌の小さいスペースで誰も知らない。役人は住民の意見は聞くが、誰も聞き入れず、最初の計画を実行するだけだ。その土地は完全な住宅地なので、3階以上の建物は建てられないのだが、都は形ばかりに世田谷区に売り、世田谷区は長谷工に売り、結果30階建てのマンションが建ってしまった。住民はカンカンだが抗議は受け入れられない。ほとんどの渋谷区民は、宮下公園のことを知らないだろう。
 この国は民主主義国家と言うことになっているが、あと5日でどこまで多くの人に知ってもらうか。デモをやっても楽観できないし、最悪は座り込みだろう。公共の場所だから、フェンスを張らないようにしなければらない。
 どこもそうかも知れないが、コスト削減は資本主義の仕組みの問題だが、利益を増やすためにはどうしてもそうなるのだろう。自分でまかなえないと、他所に少ない金額で委託する。日本の報道番組が低下しているのはそれが原因だ。委託されたところは何段階も委託を繰り返し、弱小制作プロダクションのADはなり手がいないからヒドいモノになっている。

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Author:PSILA
「平和」・「自由」・「平等」を愛する、ワーキングプア階層に属するしがない中年フリーター。
ひょんなことからボランティア精神に目覚め、某NGO主催のクルーズに参加したことがきっかけで「9・11」以降都内近郊で開かれた平和関係イベントに積極的に参加し、その模様をネットに公開するようになる。
このBLOGは、生活苦と闘うワーキング・プア中年男性フリーターの軌跡を綴るものである

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