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政権交代!
85年ぶりの「選挙による」政権交代ストーリー、ここに完結。
民主308議席 問われる真価
<与党>
自民党……119(-181)
公明党…… 21( -10)
<野党>
民主党……308(+193)
共産党…… 9( ±0)
社民党…… 7( ±0)
国民新党… 3( -1)
みんなの党… 5( +1)
改革クラブ… 0( -1)
新党日本…… 1( +1)
諸派…… 1( +1)
無所属…… 6( ±0)
事前報道から、民主党がかなり行くだろうなとは思っていた。しかし、ここまで行くとはねぇ…。
前回の選挙では、、小泉の「郵政選挙」集団ヒステリー状態で、自民党が圧勝した。今回は前回の裏返しで、民主党が口にする「政権交代」というワンフレーズに、有権者が敏感に反応したという見方があるのは事実だ。
鳥越俊太郎氏は、今朝の「スーパーモーニング」で、今回の選挙は自民党の失政・圧政・無責任が積もり積もった結果だといっていたが、有権者もそう思っているに違いない。
小泉は「郵政を民営化すれば、日本はよくなる」と選挙戦で絶叫した。だが、いざ郵政を民営化してみれば、日本にやってきたのは、想像を絶する格差社会と、殺伐とした人心の荒廃。民営化すれば「よくなるはず」の郵政の現場も、過剰なノルマ主義と残業で、心身とも疲労困憊になって退職する職員が続出し、郵便物の遅延も多くなっていると聞く。そこに「かんぽの宿」が発覚し、小泉政権が振りまいた夢は、あっという間に失望に変わった。郵政民営化以外にも「消えた年金」「格差問題」に総理の無能力・KYぶりが明らかになり、自民党結党以来の未曾有(みぞうゆう)の大惨敗を喫した。
原発政党民主党
エネルギー政策分野では、自民も民主も五十歩百歩だと思っていたが、私が参加しているMLに、下記の情報が流れてきた。
原発政党民主党
というのそれである。
もともと、私は民主党という党はあまり信用していない。それでもことあるごとに民主党を支持してきたのは、政権交代という大偉業を成し遂げられる政党が、現時点ではこの党しかないという、極めて消極的な理由故である。政権交代を果たすためには「数」という名の「力」がいる。まことに情けない理由だが、これが日本の政治状況だから、受け入れざるを得ない。
それ以上に私が問題視しているのは、民主党を支持する「連合」という労働組合の存在だ。「連合」は現在、日本最大のナショナルセンター(労働組合の集合体、以下NC)だが、この団体の前身は、社会党(現:社民党)を支持する「総評」、旧民社党を支持する「同盟」、どちらにも与(くみ)しない「中立労連」の3つのNCが合併してできた。メディアは「分裂していた日本の労働組合がついに統一された」と褒めそやしていたが、実際は右派労組の中心的存在だった「同盟」が主導権を撮った統一劇だった。
「同盟」はもともと、’50年代に隆盛を極めていた「マルクス・レーニン主義」の影響が色濃かった総評の活動方針に反発した労組幹部が、反共・総評よりも穏健な運動方針を掲げて発足したNCだ。ことあるごとに経営サイドと対立していた総評執行部と異なり、経営サイドに配慮しつつ、労働組合として要求するべきところは要求する、というのが当初のスタンスだった。ところがいつの間にか、この組合は当初の活動方針からずれてしまい、’70年代後半には、当の組合員から「これでは労働組合ではなく、御用組合だ」という批判の声が聞こえるようになった。
背景には、「同盟」が支持していた政党「民社党」の国会内での勢力伸び悩みがあった。民社党は支持基盤を拡大すべく、政策を徐々に右寄りにシフトし、日本国内の極右・反共勢力(統一協会、勝共連合)とも交流を持つようになった結果、この政党は当初の「議会内に社民主義を確立する」活動方針を放棄し、「日本から『共産勢力』を駆逐する」という、過激な綱領を掲げるようになった。
反戦・、護憲派の苦しい選択
政権交代は実現したい、されど憲法9条は守りたい…
政権交代歓迎でも民主に不安 護憲派悩む1票
大マスコミが一斉に「民主300議席突破も」と報道し、自民党は早くも沿線ムードが漂っているらしい。野党、良識派国民が待ち望んでいた「政権交代」への夢は、また一歩近づいたようだ。
だが、今度の選挙動静については、護憲派にとっては何とも悩ましい。ご存じの通り、民主党は旧自民党・旧社会党・旧新進党出身の議員が寄り集まってできた「ごった煮政党」であり、政治スタンスは左派・リベラルから極右派まで様々なので、口の悪い人は「第二自民党」と揶揄するムキも少なくない。もともと上記の政党煮所属する議員が、自分の「選挙対策」で寄り集まってできた政党である上、「松下整形塾」に代表される、新自由主義を信奉するネオリベ派、大企業から転身してきたエリート・セレブ組も少なからず見られる。出身母体が多彩なのはいいことだが、ここの議員があまりにも経歴が華やかすぎ、いい変えればエリート臭が強く漂っているので、とてもじゃないが仲良くできないと敬遠する向きも多いだろう。
だから、護憲派にとっては民主党と、どう付き合っていくかという点で頭が痛い。今度の選挙に民主党から出馬した立候補者のうち、約2割が「憲法9条改憲」を標榜しているそうだ。彼らの中には、自民党の極右派と大して変わらないか、それ以上に過激なことをいう候補もいる。自民党・民主党両候補とも、極右主義の候補者しか出馬していない選挙区では、護憲派の有権者はどうすればいいのか、頭が痛いだろう。共産党が出馬していれば共産党に投票するだろうが、この党すら出馬していない選挙区で、かつ自民・民主両候補とも「極右系」しかいなかったら、護憲派有権者は、小選挙区制度は棄権するしかなくなる。こういう場合、小選挙区制度の弊害点がもろにでる。選択肢が「どちらか」になってしまうからだ。
金がないなら結婚するな
「たまにはいいこというじゃねえか」とおもったんだけど…
麻生首相「金がないなら結婚するな」発言
相も変わらず失言ばかり繰り返している麻生だが、この発言には評価できると思う。
先日、twitterで相互フォローしている人間と恋愛論議になり、私は相手に
「『愛している』だけでは腹はふくらまない。ふくらむのは別の腹だ」
といった。あとの「ふくらむ腹」が何を意味しているかは、カンが言い方はぴんとくるだろう。相手もそれを察したらしく、
「う、うまいことをいいますなあ(笑)」
というレスを返してきた。相手は大学を出てSEをやっている人物で、私同様リベラルな思想を持ち、パンチの効いた皮肉と連歌を書高度な知性と教養を併せ持つ人だ.実世界でこんな人物と知り合いになれたら、女性にはさぞやモテモテだろう…と思うのだが、本人曰く、女性にはとんと縁がないと嘆いていた。換えみたいに高度な知性を持つ人間ですらそうなのだ。私みたいな人間は、世の女性は全く振り向かないだろう。
実際、この世には「男女間収入格差」で破綻するカップルが山ほどいる。キャリア指向を強める女性にとって、ワーキングプア(以下WP)、それも生活保護を受けて何とか生計を維持している中年WPは、はなっからお呼びではない。彼女らのWPに接する態度は、人間以下といっていい。こんなことを書いたら、キャリア志向の強い女性や、フェミニストからは
「ひがみ根性をむき出しにしているのだったら、せっせと自分を磨いてくれ」
というだろう。バカか!生活もできない人間に、どうやって「自分磨き」ができるわけがないじゃないか!で、お望み通りに「自分磨き」をして、彼女らの前に姿を現したとしよう。すると、彼女らはこういうって、WPをせせら笑うだろう。
「自分の生活もままならないのに『自分磨き』だってさ」
と。世の中は所詮、そんなものである。
民主は300議席?
「勝った勝った」と喜ぶのはまだ早いということだ。
民主300議席超す勢い…衆院選情勢調査
マスコミは連日、ひっきりなしに「民主圧勝、自民党歴史的惨敗」と煽っている。あたかも、民主党が圧勝して新しい政権が誕生し、日本は新しい第一歩を踏み出すのではないか、と。
しかし、待って欲しい。我々は、まだ「政権交代」という臭いを嗅いでいるだけで、まだその果実を手に入れたわけではない。投票日まであと9日あるのだ。その間、権力を手放したくない与党側が、野党側にあれこれと謀略を仕掛けないとも限らない。「選挙戦は、最後の3日間が一番危険だ」という格言もある。油断大敵である。
それに、この記事には「リバウンド効果」を狙っているフシもある。このままでは自民党が負けますよ、保守派の皆さん、これでいいんですか、あるいは、無党派の皆さん、あなた方が投票に行かなくても、自民党は負けるから大丈夫という、大メディアの「意思」が込められたメッセージとも受け止められる。このブログでも再三書いているとおり、日本は「政財官学報警司」の強固な「指導層」ががっちり権力を握ってきた。民主党が勝ったら、日本はめちゃくちゃになりますよ、だから自民党にお任せください、と。彼らメディアが頭を垂れるのは「権力者」であって、有権者ではない。その事を、有権者は頭に入れておく必要がある。
案の定、右派勢力からは、ネット上でこんなことをつぶやいている。曰く
「日本は有権者が1億人(正しくは約7割なんだけど…)いて、そのうちの3~4割が『投票先は未定』としているのに、なぜ『民主圧勝』という記事が書けるのか」と。何しろ、時の首相が
「(有権者には)投票日には寝ていて欲しい」
なんて寝言戯言を平気で言う国なのだ。
「無党派層は、主体性がなくてマスコミの受け売りやイメージだけで投票先を決める人たち」
だから、そういう人たちは投票日には寝ていて欲しい、どうせイメージと世間のムードだけで投票先を選択し、自分の意思も考えもないんだろと、ネット上でつぶやく人も多い。そして、残念ながらその見方は正しい。
追い詰められる大物達
元総理大臣という「大物議員」も苦境に立たされている。
壊れた自民党の集票システム-石川2区ルポ
民主党の勢いが止まらない。というより、日がたつにつれて、自民党が苦境に追い込まれている、といったほうが正解か。森喜朗、町村信孝、武部勤、古賀誠、山崎拓、海部俊樹といった首相・幹事長経験者を始め、最近では前首相の福田康夫も危ないのではないかという報道が入ってきた。福田の選挙区で立候補している民主党新人候補は、警察から
「辻立ちを1日50回やるのなら、その度に道路指導許可証をとれ」
「候補者名を書いたのぼりを立てるのはダメだ」
などといったことを、警察から言われているらしい。あまりしつこくいわれるので、その陣営は
「福田陣営が、陰で警察を使って嫌がらせをしているとしか思えない」
とカンカンだという。それだけ彼らも追い込まれているのだろう。
上記にあげた「大物」だけでなく、各県の「1区」で立候補している自民党候補者達や「2世議員」達も、軒並み苦戦を強いられている。前者は、浮動層が多いなど有権者の政治感覚が大都市住民に近い感覚を持っている。後者は、安倍晋三以降3代にわたる総理大臣及び経験者、「バンソウコウ大臣」なる蔑称を奉られた赤城宗彦らに代表されるように、2世議員は
「いいのは育ちと見てくれだけで、中身は空っぽな根性なし」
というイメージが、有権者に定着してしまった。それでも
「2世議員の中にも有能な人はいる」
と必死に抗弁する2世議員もいるが、今の有権者は「2世=世間知らずのバカ」というイメージが染みついているから、これをひっくり返すのはかなり困難だといわざるを得ない。
なぜ自民党はこれほどまでに強かったのか?東京新聞の今日付の「特報部」のコーナーでは、森喜朗・元首相を例に挙げて報道している(※)。
衆議院選挙告示
さあいよいよ、自民党の圧政に鉄槌を下すときがきた!
「政権選択」最大の焦点、総選挙スタート 衆院選公示
60年間の自民党(及び公明党)政権下で圧政に苦しんできた諸君に告ぐ!
我々は、長年の辛苦困難に耐え、「清き1票」を投じる機会を得た!
この機会に我々は「投票」という名の意思表示手段で、麻生自民党政権に「NO!」の意思表示を示そうではないか!
前身の自由党・旧民主党次代を含め戦後60年あまり、戦後の混乱期と’93年~94年の「政治改革熱」をのぞき、自民党は一貫して政権を担ってきた。この間数々の汚職事件を起こし、有力者からの問題発言が止むことはなく、完了・財界と一体となって利権あさりとその確保に躍起となりながらも、この党は曲がりなりにも日本の政治をリードしてきた。国民の側にも
「いろいろ問題はあるけど、やっぱり自民党が一番だよね」
という意識が強くあったことは事実だ。
しかし、前回の総選挙以降、その雰囲気はすっかり変わってしまった。
「改革なくして成長なし。痛みに耐えろ。『米一俵の精神』だ」
という、勇ましいかけ声で始まった小泉政権はアメリカ亜流の政策である「規制緩和」を大々的に拡大させた結果、これまで日本人が持っていた「総中流意識」を見事に消し去り、国内間の格差を増大したのみならず、日本人が持っていた美徳・安心を奪った。金持ちはますます富み、貧乏人はますます貧乏人から這い上がることができない状態に陥り、人心は荒廃し、治安も悪化した。
幸福実現党迷走す
見栄を張って「天下取り」と大きく出たのがアダになったか?
撤退方針撤回の幸福実現党は候補者削減か
ほうらいわんこっちゃない、というのが正直なところである。
おとなしく「自民党の補完勢力」に甘んじていれば、世間に大恥をさらすことはなかったのに、と思うが、ここまできたら進むも退くも「修羅の道」。やけのやんぱちで、最後まで突き進むしかあるまい。
そもそも、都議会選挙で10,000票あまりしか獲得できなかったにもかかわらず、「国政進出」と大きく出たことが間違いだった。教祖(本人は「国師」と称しているが)の頭にはおそらく「我々も公明党のように、いずれは国政に」と思っていたのだろう。本を出すのも、お布施を強要するのも、私から見たら公明党のまねをしているとしか思えない。
だが両者には、似ているようでかなりの相違点がある。破門されているとはいえ、公明党・創価学会も「新宗教」のカテゴリーに入るが、活動自体の歴史は古く、戦前は「戦争反対」を訴えて幹部数名が獄死するなど、本来は「反権力」のスタンス(今の公明党からは考えられないが)をとっているのに対し、幸福の科学・幸福実現党は陸橋されてからまだ20年そこそこと歴史が浅い上、教義自体も「他の宗教からパクった」といわれるほど独自性に乏しい。この教団が「体制寄り」になったのも、宗教界での地位を上げるために権力にすり寄ったのかもしれない。
中川前財務相が断酒宣言
でっきるかな、デッキルカナ、ふごふごふふ~
中川前財務相:「もうろう」こりた? 断酒宣言--総決起大会で
醜態を全世界中にさらさした、ローマでの「酩酊会見」に限らず、この男の酒にまつわるトラブルはたえない。伝聞だが、天皇主宰の晩餐会に招かれた彼は、飲み過ぎて酩酊したあげく「俺は帰る!」と騒いで醜態をさらしたという話がある。「パーティーの主催者に迷惑をかける」という、欧米ではおよそ考えられない醜態だが、このことを大々的に報道するメディアは皆無。欧米メディアがこのことをどう伝えたか知らないが、これらの行動が「タカ派」を気取っている政治家のやることかと思うと、頭が痛くなってくる。記者から「中川(酒)」とバカにされるのも頷ける。
「酩酊会見」だけでも致命的なダメージなのに、今回の総選挙では「2世議員」というレッテルとも戦わなくてはいけない(叔父も参議院議員である)。先の「酩酊会見」では旧来の支持者の多くが離れたという話もあるだけに、今回の選挙戦は家族総出で「どぶ板」選挙に徹しているというが、相当の苦戦は覚悟しなくてはならないだろう。
残念なのは、総決起集会で本人が「断酒」を口にしたとはいえ、その期間については明らかにしていない。アルコールや麻薬に限らず、「依存症」というのは病気であるというのが、関係者の一致した見方だ。だから本気で「アルコールとの関係を断つ」つもりならば、専用の病院に入院して、徹底的に治療しなければならないが、記事からはその決意のほどが伝わってこない。
民主党マニフェスト発表
さて、有権者はこれをどう評価する?
民主党がマニフェスト発表 主要政策に初年度7.1兆円
民主党のマニフェスト発表記者会見には、従来の大手メディアなど「記者クラブ」所属の新聞記者の他に、大勢のフリージャーナリストが多数やってきた。そのため、民主党は当初予定して会場が手狭になったとして、記者会見の場所を、民主党本部から都内のホテルに変更した。鳩山代表は以前の記者会見で「民主党が政権を取ったら、記者会見の場を、フリー・ジャーナリストの型にも解放する」と宣言しており、早速この「公約」を実行する形となった。
欲を言えば、政権を取った暁には、記者会見をジャーナリストだけでなく、アメリカのように影響力のある「ブロガー」にも解放して欲しいと願っているのだが、首相・大臣のみの安全を図るためには、やはり「フリージャーナリスト」だけ入場を認めることになるのだろう。
発表されたマニフェストだが、内政面は「格差問題」の解決に注力している。具体的には、中学卒業まで「子供手当」を支給し、公立高校の授業料を全額免除し、私立高校に通う生徒にも年額12~24万円の助成手当を支給し、大学生の希望者にも奨学金を与えるとしている。
雇用面では、すべての労働者に雇用保険を適用し、失業給付の切れた人を対象に、職業訓練日数に比例して「能力開発手当」を支給、また製造業への派遣を原則禁止とした。農業政策では、農家を対象に「個別所得保障制度」を導入するとしている。
そのほかにも、高速道路を全面無料化し、ガソリン税などの暫定税率廃止としている。
残念なのは、外交面では従来の自民党の路線を受け継ぐつもりだということ。民主党は野党時代、自衛隊のインド洋派遣に反対する姿勢を示していたが、今度のマニフェストでは、これを容認するとしていること。民主党はこの理由として「外交の継続性」を挙げていたが、ここは当初の意志を貫徹して欲しかった。アメリカを説得できる自信がなかったか、それとも党内右派に配慮した結果なのか。
また、環境団体からは「高速道路の全面無料化は、地球温暖化の進行や環境破壊、資源浪費につながる。民主党は、党の環境政策を党折り合いをつけるのか」という声も上がっている。民主党は産業政策と環境政策の矛盾を、高いレベルでどう解決するのかが問われている。