今回の投稿は、日頃お世話になっているお玉さまへの感謝の意を表すため、執筆いたしました。この投稿は、記者会見の発言内容をメモしたもので、おおよそ7割ほどの概要を押さえていると思います。なお、極力私情を抑え、客観性に基づくように配慮致しました。
1.出席者
・コメンテーター
池田香代子(翻訳家・「9条世界会議」日本実行委員会共同代表)
吉岡達也(ピースボート・GPPAC北東アジア・「9条世界会議」日本実行委員会共同代表)
カーシム・トゥルキ(人道支援ワーカー・イラク出身)
エイダン・デルガド(戦争に反対するイラク帰還兵・アメリカ出身)
フローレンス・ンパエイ(ナイロビ平和イニシアチブ・GPPAC中央・東アフリカ・ケニア出身)
アリス・スレイター(核時代平和財団・アメリカ出身)
2.記者会見要旨(敬称略)
吉岡:「今回の最終会議で発表されました、『戦争を廃絶するための9条世界宣言』(参照:
http://tukui.blog55.fc2.com/blog-date-20080507.html)は、約1ヶ月をかけて関係者と打ち合わせをして作成されたものです。今回の9条世界会議の参加者は、2日合計で2万2千人以上を数え、海外から31カ国、延べ150人以上の参加者が訪れました。ただ、ここまでの参加人数は委員会としても予測できず、結果として初日で3000人、二日目で500人が入場できなかった事は、当方の落ち度であり、深くお詫び申し上げます。しかし、これだけの人数の人々が9条に関心を持っていた事が認識でき、大変嬉しく思います。」
吉岡:「この9条世界会議という名前について、日本の国内法の一つである9条を世界会議にするのは違和感をもってしまうかもしれません。しかし今回の会議で、9条が世界にとって意味あるものであると認知されました。G8の1国である日本が、どのような憲法をもっているかは、世界の注目が集まるものです。21世紀は新しい価値観が求められる時代になったのではないのでしょうか。実際に、軍事に依存したアメリカはバクダット1つすら平和にできていません。そして、9条こそが新たな国際貢献ではないのでしょうか。9条は人間が面と面を向き合って話すことの力となります。また、世界中で、紛争、貧困、飢餓などで死んでいく人々に対しても、意味があるものではないでしょうか。地球市民の一人として、9条を具現化することが必要だと思います。」
カーシム:「軍隊は破壊の手先です。爆弾、銃弾がイラクの全ての破壊をもたらし、それを免れている町はイラクにはありません。そして、文化、伝統までも失わせてしまいます。イラク、アメリカは共に騙されています。それがわかったから、私は軍から逃げました。9条の理念はイラクの人々にとっても、たとえ9条という憲法について話さなくても、理念は理解され実践されるでしょう。若者が軍隊に取られるのは、国に対する打撃です。若者は戦争の被害者であり、次に女性、子供が被害者になります。軍隊があれば、国の統制がとれると思うでしょう。しかし、実際には軍は破壊をもたらし、あまりの死者の数のため、コロシアム(競技場)が墓場となったのです。この9条世界会議では、非暴力、平和の理念が確認できました。9条が日本を破壊や戦争犯罪から免れさせたのです。非暴力こそ、人々を守る一番の手段です。私たちはあらゆる手段を尽くした上で、我々にとって非暴力が唯一の手段であることを確認したのです。」
エイダン:「9条は国際的な問題であり、世界の一人ひとりの問題でもあります。9条の精神があったからこそ、イラクの人と私が同席でき、友達になる事ができたのです。」
フローレンス:「紛争防止ネットワーク事業のために、今回、日本に来ました。戦争は殺戮であり、人を守る事ではありません、例えば、ここに同席する6人を、武器で殺すような人が私たちの敵です。武器を作ってはなりません。それが9条の精神でもあります。カーシムさんが述べられた、9条を知らなくても、その精神は世界に共有できるという考え方は正しいです。9条を世界に反映するにはどうすれば、私たちのこの精神の高揚を伝えるにはどうすればいいのかを考えています。この会議は、平和と平和文化のための闘いの一連であります。もし9条が全ての国にあれば、おせっかいな国からの干渉を阻むことができるでしょう。核を作る国の政権は犯罪者です。そのような政権は市民に支援されていません。9条は日本の誇りです。そして、全ての国が9条を持たなければなりません。市民の連携こそが大切です。メディアの大切な仕事は、そのことを世界に繋げていくことです。日本のメディアはこの会議を詳細に世界に紹介し、広げてほしいです。」
アリス:「世界全体を9条の精神で繋ぐことができれば、持続可能な世界になるのではないでしょうか。核問題を中心にしたエネルギー問題は、大変重要な問題です。バイオエネルギーのためにアメリカが穀物をエネルギーに変えてしまっていることも問題です。そして軍隊は最大の環境破壊です。私たちの税金を軍隊に使ってよいのか、そのことを問題にしなければなりません。」
質問:「今回の会議にどのような意味があったのでしょうか?」
池田:「今までの護憲大会は、年配の世代の手によって開かれていました。しかし、今回の会議が、国際性と若い世代が中心となって開かれたことは、9条の精神が若い世代につながれている表れであると考えています。また、世界にとって9条は意味あるものだということが確認できました。しかし、もっとこのことをより多くの人に知らせる為、メディアの人々はこのような会議があることを伝えて欲しいです。」
質問:「エイダンさんとカーシムさんは、この9条の会議の意味についてどのようにお考えですか?」
エイダン:「出会うべくして我々はここで会いました。私たちは考え方が同じなのです」
カーシム:「アメリカ人はどのような人であるかを、今回、知ることができました。戦場ではイラク兵もアメリカ兵も、銃口や戦車の砲口を向き合わせるだけの関係でしかありません。イラク人とアメリカ人との間には、厚い壁があるのです。今回の出会いで、私たちは同じ考えを持つ人間であることが確認できました。」
質問:「9条世界会議は今後も開催されるのでしょうか?」
吉岡:「2回目はあります!! まず初めに、プレ会議をコスタリカで開催してほしいと、カルロス・バルガス氏から提案がありました。私たちはプレ会議を世界中で開催し、2回目に繋げたいと考えております。2回目の会議においては、9条の精神が理解されないからこそ、9条が国際貢献の邪魔であるという間違った認識を変えるため、世界中の紛争に苦しんでいる人々を呼び寄せたいと考えております。そして、第2回には、改憲派の人々こそ来てほしいと思います。」
質問:「(外国人女性記者が涙ぐみながら)お二人のお話には感動しました。カーシムさんとエイダンさんは、今後どのようなことをされるのでしょうか?」
エイダン:「今回の会議において、控え室でカーシムさんと話をして、アメリカのイラク退役軍人会議に来てもらえることになりました。残念なことに、アメリカ人はイラク人が人の顔を持っていることを理解されていません。それを変えてゆきたいです。」
カーシム:「イラク人同士でも何か行動すべきであると考えています。イラク兵の間では、アメリカ兵が人間であるとは考えていません。復讐のメカニズムは壊されなければなりません。復讐にとらわれている人々は、情報が与えられていないのです。我々は、エイダンさんのような友達がいることを、知らせなければならないのです。」
吉岡:「お二人とも、是非ピースボートに乗って、お二人の体験を世界の人々に伝える事はできませんか?」
※ カーシム氏とエイダン氏は了承し、ピースボートで世界一周することが決定する。
アリス:「現在のところ世界には、真の民主主義は存在しません。例えばアメリカでは、核廃絶をマニフェストとして大統領選に出馬した候補はいないのです。このような現状を、私たちは変えていかなければならないのです。」
※以上をもって記者会見は終了した。その後は記者による写真撮影を行った。
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