護身具の真剣な話
秋葉原通り魔事件から1年が経過した。
私は、もともと、街中や電車で、隣の人がナイフ等で襲ってくることもあると、いつも思っていた。
だから、電車の中で、音楽を聴きながら、股をだらんとおっぴろげてぼーっとしている若者の、あまりのマヌケさに呆然とせざるをえない。
もともと日本の若者は魅力が無いと言われているが、その最大の理由は、この緊張感の無さである。
しかし、日本人の精神はますます病んできているのであるから、あのような事件が起こることはちっとも不思議ではなく、物騒なことを言うなと怒られるかもしれないが、今後もさらに増える可能性が高い。
だが、凶悪な人間に対して防御しようにも、我が国では、刃物はもちろん、あらゆる武器の携帯は事実上、違法とされてしまう。
もっとも、アメリカの多くの地域では銃の所持、あるいは、携行が許可されるらしいが、いざという時に冷静に銃を操作できる者などまずおらず、銃を持っていても、実際は何の役にも立たないようだ。
私は、世界中の警察などで使われているという特殊警棒(アンテナ式に伸ばして使う、金属性の警棒)や、ファイティング向きナイフなどを色々購入してみたが、結論として、私は、これらを護身具に使うことはお薦めしない。
特殊警棒は重く、グリップも細くて余程慣れないと使い難い。特に女性であれば、あまり役に立たないと思う。軽く小さいモデルも無いではないが、銃同様、非常事態で冷静に操作するのは難しい。おそらく、振って伸ばすという準備段階すら、上手くできないだろう。また、使えたとして、男性が使えば、逆に威力があり過ぎる。
そもそも、護身具で、完全に身を守れるわけではないし、むしろ、派手な武器を持っていたら相手を余計にエキサイトさせてしまう。
その意味でも、ナイフは絶対に駄目だ。ナイフを武器として使いこなすこと自体が難しい上、ナイフを見せるということは、命のやり取りに合意したという意味になることを忘れてはならない。
私は、ナイフを武器として使う方法もかなり研究し、練習したが、そうでないなら、あらゆる意味で、下手にこれで攻撃することは、普通に想像するよりはるかに危険であることを強調しておく。
私なら、武器としては木刀、それも、短刀を選ぶ。30センチほどの短い木刀だ。
もちろん、使うのは最後の手段としてであり、まずは逃げることを考えるべきなのは言うまでも無い。
特殊警棒のように、まずは振って伸ばす必要もなく、軽いので、最大のスピードで正確に振り回せる。とはいえ、実際の効果は普段の研究や練習と心構えに大きく左右されるだろう。
攻撃の時は、相手に木刀を見せずに、鋭く突き上げることができるように練習しておくと良いと思う。つまり、不意打ちを心掛けるべきである。スポーツではないのだから、まさか正々堂々なんてことを考えてはいけない。
実際、刃物で切る、刺すなんてことは、技術的にも心理的にも、普通の人には無理だ。しかし、叩く、突くなら比較的容易い。
あの宮本武蔵すら、肌身離さず持っていた武器は木刀であったと聞くし、言うまでもなく、佐々木小次郎との決闘で使った武器は木刀だ。
木刀は、練習用だけでなく、武器としても極めて合理的で強力なのである。
とはいえ、木刀のいわゆる大刀(約1メートル)は、女性では使いこなせないし、外で使うにも、あんなもの持ち歩けない。50数センチの小刀タイプでも、片手で使うものであるので、意外に腕力が必要で、女性には向かない。また、小刀タイプでも、隠して携行することは難しく、しかも凶器と見なされるだろう。
短刀タイプなら、凶器とみなされることもないと思うが、そうでないとしても、こっそりバッグに入れておくこともできるだろう。
以下に、私の保有する木刀を紹介する。
短刀タイプの木刀。長さ29センチ。赤樫(アカガシ)製。
こちらは、54センチの小刀タイプで、白樫(シラカシ)製。
樫の木は、硬くて木刀に向いている。赤樫の方が僅かだが重くて硬い。白樫は、僅かに折れにくい。
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