脳を大切に
量子物理学者のフレッド・アラン・ウルフが量子物理学の道を志したきっかけは、幼い時の超常現象体験であったようです。その超常現象は、テレポーテーション(瞬間移動)のようなものです。
彼は、「まともな」量子物理学の著作も書いていますが、幻覚剤の使用体験やシャーマン(呪術師)との交流を描いた神秘的な著作もあります。彼のホームページも、なかなかぶっ飛んでいますが、現時点(2010年9月26日)のトップページのGIFアニメが、幼い時のテレポーテーションの体験を表しているように思われます。
テレポーテーションのような不思議な現象は、量子力学が扱う極微な世界では普通に起こりますし、時間の遅れや空間が縮むといった現象は相対性理論が扱う極大な世界で起こります。
ただ、我々が日常体験する範囲では、あまりにわずかな規模でしか起こらないか、あるいは、あまりに稀にしか起こらないために、不思議な現象は存在しないことにされるわけです。
あの頑迷な超常現象否定論者の大槻教授だって、量子力学の中で不思議なことが起こったり、それが日常の範囲でも、あまりに稀にではあるが起こる可能性があることまでは否定していません。
しかし、考えようによっては、不思議な現象は、我々だってよく経験しているかもしれません。
例えば、何かを夢中になってやっている時は時間が速く流れたり、苦痛な時間は非常に遅く過ぎるように感じることです。アインシュタインも、相対性理論のくだけた説明には、こういったことを言ったようです。
また、人間の能力は、一定して進歩するというよりは、しばらくの間変化を見せなかった後で急に進歩する(いわゆるブレイクスルー)場合が多いのですが、これが量子力学で扱われる電子の瞬間移動に似ていると感じることもあるようです。チン・ニンチュウの「誰でも小さなことで大切な願いがかなえられる」という本で、物理学者でもある経営者が年収をわずか3千万円から3億円にした話にそのようなことが書かれています。ただ、世界的な理論物理学者・数学者のロジャー・ペンローズは、似ているように思うことは慎重に扱うべきと言っているようでもあります。
極微な世界、極大な世界で実際に起こる不思議な現象を日常の体験にもたらすのは、言うまでもなく脳の働きです。
有名な美術教師のベティ・エドワーズは彼女の著作「脳の右側で描け」で、好ましい状態で絵を制作している時に、時間が速く流れるのは、右脳が活性化しているからであることを説明しています。また、ロジャー・ペンローズは、脳が量子的な機能を持つ器官であり、この脳に極微な世界と極大な世界(量子論と相対論)を統合させる鍵があるといったようなことを言っていたと思いますが、直感的洞察力に恵まれた人達もまた、相互に大きな矛盾なく、そのような主張をしているように感じます。
しかし、脳は神秘なものであると同時に物質でもあり、器質的なトラブルがその働きに影響します。インドの聖者ニサルガダッタ・マハラジに、誰かが、老人の聖者の人間性の欠点を指摘しますと、マハラジは、聖者とはいえ、脳の影響は受けるのだと言っていたのが印象的でした。
我々も脳は大切にしなければなりません。脳に悪いのは、まず喫煙や飲酒です。多少の飲酒は良いのではという意見もあると思いますが、ルドルフ・シュタイナーのように、飲酒を厳しく戒める者もいます。
そして、脳に極めて悪いのは、現代の刺激的な映画やテレビの娯楽番組といった、外側からの刺激を一方的に受けて楽しむ遊びや娯楽です。
また、携帯メールやツイッターといった、熟慮なく単純でパターンの決まった言葉ばかり使用したり、ゲームを長時間やって、パターン通りの反応しかしなくなることです。
他にも色々ありますが、現代は、脳の働きを低下させるものばかりが溢れているように感じるのは、闇の勢力の陰謀といった冗談を真面目に疑うほどです(冗談でなく、真面目に言っている人もいるようですが)。
くれぐれも、脳の健康と機能を大切に。
26日9:00AMまで、フレッド・アラン・ウルフのHPへのリンクに問題がありました。申し訳ありませんでした。
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Comments
こんにちは。あなたのブログは面白かった。年齢は表記が無いので、推察すると35歳前後ですか?あなたの考え方も、貴方の知識も、回転の速さも感心します。面白いブログだと思います。これからも書いてください。読みに来ますよ。一つ感じたことがあります。僕の実感として30歳過ぎて頭の使い方が解り、やっと50歳過ぎて心の使い方が解ったような気がします。(遅いですが・・・)あなたの文章に心の、人間的な優しさが加われば、日本をリードしていける人にでも成れるのではないかと思います。楽しみにしています。ありがとうございました。
Posted by: salonsystem | 2011.01.03 08:09 PM