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次回アップ予定:Scene-473 中川『都営地下鉄新宿線荒川中川橋梁』 (2019/01/05 12:00)
明けましておめでとうございます。本年も平穏無事な年になりますように。
[Vol-01] 『ぶらっと遡上探索』第23弾、中川編の始まりですよ。前弾の新中川は準備体操で、今回の中川が本番になります。久々の大河(流路延長83.7km)で放映は日曜日、じゃなくて、いつもと同じ3日置きの更新ですよ(笑)。中川は利根川・江戸川・荒川から取水された農業用水を排水する目的で開削された幹線水路である為、はっきりとした水源は無く、埼玉県羽生市上羽生に管理起点(起点標石)が置かれています。上羽生から南東方向へ流れ、幸手市上宇和田付近から南へと流れを変え、新中川を分派して荒川左岸に並行しながら荒川に合流しています。荒川と江戸川の間を流れる事から、中川と命名されたそうです。
今回は中川河口から遡上して、清砂大橋、東西線荒川中川橋梁、首都高清新町ランプ橋、葛西橋までの紹介です。河口への最寄り駅は東京メトロ東西線の西葛西駅、小田急の千代田線乗り入れに乗り、大手町駅で東西線に乗り換え、所要時間約70分でした。
西葛西駅から南西1km程の中川左岸河口へと進み、首都高速中央環状線の高架下辺りから遡上を開始します。では、初回儀式である「0km距離標を探せ!」を始めます、高架下を少し進むと遊歩道左脇に早くも距離標発見。「荒川左岸マイナス0.25k距離標」と刻印されています。中川は荒川と同じ河口になるので、距離標識は荒川と兼用されています。マイナス分の250m上流へ移動して再び足元をキョロキョロします。ん~無いね、見落としたかな、前後10m程を再確認しましたが無し。眼を右脇にズラすとムムム、丸鋲が在りましたよ。「三級基準点K0.00」の刻印があり、背割堤に在る荒川の河口0km標識と同じ横位置なので、此れを左岸側の0km距離標とします。右岸側にも行きますか。但し、1.1km上流の葛西橋まで行かないと荒川に挟まれた背割堤に降りられません。なので、途中に架かる橋を撮りながら遡上します。
河口から520m上流に架かるのが、中川第一橋梁の『#01清砂大橋』です。橋名は両岸地区名から一文字ずつ冠にした命名で、荒川右岸の江東区新砂3丁目と、中川を跨いだ左岸の江戸川区清新町1丁目とを結び、都道10号東京浦安線(清砂大橋通り)が通ります。荒川に架かる部分が3径間斜張橋(547.3m+60m)です。
名称:清砂大橋
構造種別:2径間箱桁+3径間斜張橋
河口からの距離:0.5km
橋の長さ:248.3m+607.3m
有効幅員:11m×2
竣工:2004年(H16)
清砂大橋の上流隣りに架かるのが『#02東京メトロ東西線荒川中川橋梁』で、右岸側の南砂町駅と左岸側の西葛西駅との間に位置しています。荒川右岸側からの画は往復1.5kmの移動を省略する為に、4年前の荒川遡上時の奴を流用しますね(笑)。
名称:東京メトロ東西線荒川中川橋梁
構造種別:16連単純トラス
河口からの距離:0.5km
橋の長さ:1236m
軌道:複線
竣工:1969年(S44)
東西線橋梁の上流隣りに架かるのが『#03首都高速中央環状線清新町ランプ橋』です。併設されたランプ橋の下流側が清新町ハーフICから首都高速中央環状線内回り線への接続、上流側が外回り線から清新町ハーフICへと、ややこしい接続になっています。それで、ハーフICって云うんだね。
名称:首都高速中央環状線清新町ランプ橋
構造種別:3径間箱桁
河口からの距離:0.6km
橋の長さ:約210m
有効幅員:約4m×2
竣工:2002年(H14)
働く船:護岸改修や橋梁建設用の資材運搬、河川沿い工場への資材、燃料運搬などに色々な船が働いています。一番多いのが、船舶の移動や艀を引っ張るタグボートで、小さくても馬力が在りますね。普通の艀はエンジンが付いていませんが、エンジン付きで単独で動ける艀、独航艀と云う奴も居ました。高速航行していたのは警備艇の「視10ゆりかもめ」です。荒川に浮かぶ漁船、ロープを上げてチェックしているので、鰻の延縄漁ですかね?
清新町ランプ橋下から堤防(AP+7.3m)を降りると左手に小島八幡神社の鳥居が見えます。創建は不詳、旧小島町の鎮守として祀られたと云われています。祭神:誉田別命、所在:江戸川区西葛西2-1-26。拝殿は1962年(S37)の改修です。
八幡神社の南側、清新町ランプ下に旧葛西海岸堤防が2箇所、史跡として残っています。1957年(S32)に、過去の最高潮位(AP+4.21m)に耐えられるAP+5.3mで造られましたが、地盤沈下が止まらない為、1967年(S42)の改修完了時にはAP+7.5mに嵩上げされています。其の5年後には都の大規模な埋め工事、「葛西沖土地区画整理事業」が着手され、葛西海岸堤防は其の役割を終えました。因みに現在の海岸線は此処から南へ2.6kmの位置になります。
再び、左岸堤防に上がり遊歩道を遡上します。600m程で葛西橋ですが、遊歩道は橋桁に塞がれていて行き止まり。堤防を降りて、葛西橋の接続陸橋から下流側歩道に上がります。180m程中川を渡ると、左手に背割堤へのスロープが在り、下に降りられます。此処から背割堤突端まで約1.2kmです。背割堤のセンターラインに四角い鋲が連続して埋め込まれています、地雷じゃないよね、なんじゃコレ!刻印も無いので判りませんね、勝手に想像すると背割堤防の沈下、歪などを測量する基準杭みたいです。
因みに此の背割堤は11km程の長さがあり、左岸側に綾瀬川と中川が流れ込み、背割堤突端で荒川に合流しています。何kmも並行せずに、直接的に荒川に接続すれば良さそうですが、各々の河川水位、水量、勾配等に違いがある為、直接繋ぐと逆流による氾濫が起き易くなります。氾濫を防ぐ為に、合流点の手前で暫く並行に流し、浅い角度で合流させる工事を分流工事と呼び、荒川上流支川の入間川、越辺川、小畔川三川の合流付近でも分流工事がされています。因みに、昨年7月、倉敷市真備町の高梁川に直接合流する小田川が豪雨増水によるバックウォーター現象で氾濫しています。
背割堤突端まで、右岸側からの橋の画を撮りながら南下します。途中に0.25km距離標、突端には海から0km標識、0kmポスト、0km距離標の3点セットが在りますよ。右岸側奥に見える煙突は、新江東清掃工場の焼却炉と東部スラッジプラントの汚泥焼却炉、何方も高さ150mです。4年前に来た時には工事中だった、緊急用船着場-臨海も荒川側に完成していますが、使われる機会が無い事を祈ります。
背割堤突端から130m程荒川側に汽水域の干潟が造られています。丁度、干潮時だったので150×20m程の範囲で泥干潟が現れて、小さな穴が無数に空いていますね。近づいて更に望遠で覗くと、ヤマトオサガニがワシャワシャと、トビハゼがピョンピョンと動き廻っていました。蟹さん、近くにウミネコが居るので、飛んで来たら逃げて下さいね。
背割堤突端から『#04葛西橋』に戻ります。ブログが長くなりましたので、此処を今回終着地点の橋として終わりにします。左岸の江戸川区西葛西1丁目・2丁目と右岸の江東区東砂6丁目とを結び、都道10号東京浦安線、都道475号永代葛西橋線(葛西橋通り)が通ります。荒川部に架かる部分は10径間補剛ゲルバー桁です。
名称:葛西橋
構造種別:4径間鈑桁
河口からの距離:1.2km
橋の長さ:727.4m
有効幅員:15m
竣工:1963年(S38)
>>>後書き<<<
次回は葛西橋から継続遡上して、都営地下鉄新宿線荒川中川橋梁までの紹介です。
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Author:mark60
関東地区の河川に架かる橋を
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