- | HOME |
ロンドンの思い出(25) - 迷子編(3)
- 2012/02/07(火) 00:00:00
前回の続きです。
High Voltage Festival、2日目の帰り。前の日と同じように迷子です。
警官に道を尋ねるタイミングも失い、適当に歩いていたら、いつしか閑静な住宅街に迷い込んでしまいました。とても静かところで、誰かに道を尋ねようにも人影がありません。
あきらめて、今来た道を戻ろうとすると、遠くの方に少し明るそうなところがありました。そこは少し商店街風な所。電気のついている看板もあります。しかし近くまで行ってみると、やはり依然として人の気配はありません。どれだけ歩いても本当に人がいないのです。ぐるぐる回っていて、次第に、「だいたいあっちの方」という方向感覚も怪しくなってきました。
やがて。
更に進むと広場に出て、ようやくベンチに寝ている人を発見!
泥酔者です。
真っ赤な顔で気持ち良さそうに寝ていましたが、他に尋ねる人がいなかったので恐る恐る起こしてみました。
(トントン)
「んん~ん?おぅ、何だ?」
いかにも犯罪者みたいな風貌ですが意外と機嫌が良さそうです。
「道に迷って困ってるんですが、、、」
「そうか。どこまで行きたいんだ?」
「Lock's Laneのバス停まで行きたいんですが」
「知らん。どこだ?それ」
それはこちらが知りたいです。
ホテルの予約確認を印刷した紙を見せても分からないと言われます。虚ろな目つきで足もフラフラなので、この人は無理そうです。せっかくですが別の人を、、、
あ、Mitcham Eastfields Rail駅まで行けば帰れる自信があることに、とっさに気付きました。
「じゃあ、Mitcham Eastfields Rail駅は?」
だめもとで聞いてみると、
「おぉ、それはなぁ、まず、ここを真っ直ぐ歩いて行くと、、、」
え、もしかして!?
「あそこに信号があるだろう。見えるか?あれだ。そこから数えて、ひとつ、ふたつ、みっつ。3つめの信号。そこまで真っ直ぐ行け。そしたら道が3つに分かれている。左の道は◯◯に行くので行ってはダメだ。真ん中。それも行ってはダメだ。△△へ行ってしまう。Mitcham Eastfields Rail駅に行きたければ右の道を行け。そうしたら一本道だからすぐに分かる。オーカイ(O.K.)?」
まさかのきちんとした返答です。
「オーカイ、オーカイ!助かった!ありがとう!」
「本当に大丈夫か?」
「ありがとうございます!助かりま、、、」
「良く聞け!あそこに信号があるだろう。見えるか?あれだ。そこから数えて、ひとつ、ふたつ、みっつ。3つめの信号。そこまで真っ直ぐ行け。そしたら道が3つに分かれている。左の道は◯◯に行くので行ってはダメだ。真ん中。それも行ってはダメだ。△△へ行ってしまう。Mitcham Eastfields Rail駅に行きたければ右の道を行け。そうしたらあとは行けば分かる。オーカイ?」
「オーカイ」
「そうか。本当だな?あそこに信号があるだろう。見えるか?あれだ。そこから数えて、ひとつ、ふたつ、みっつ。3つめの信号。そこまで真っ直ぐ行け。そしたら道が3つに分かれている。左の道は◯◯に行くので行ってはダメだ。真ん中。それも行ってはダメだ。△△へ行ってしまう。Mitcham Eastfields Rail駅に行きたければ右の道を行け。そうしたらあとは行けば分かる。オーカイ?」
「オ、オーカイ(^_^;)」
「そうか。本当だな?あそこに信号があるだろう。見えるか?あれだ。そこから数えて、ひとつ、ふたつ、みっつ。3つめの信号。そこまで真っ直ぐ行け。そしたら道が3つに分かれている。左の道は◯◯に行くので行ってはダメだ。真ん中。それも行ってはダメだ。△△へ行ってしまう。Mitcham Eastfields Rail駅に行きたければ右の道を行け。そうしたらあとは行けば分かる。オーカイ?」
「オ、オ、オーカイ、オーカイ(^_^;)」
「そうか。本当だな?あそこに信号がある、、、(永遠と続く)」
「オーカイ、オーカイ、森鴎外\(^。^;)/」
制止してようやく止まりました。
「こんな遅くに、駅まで何しに行くんだ?」
「そこまで行けばあとは道が分かるので」
「そうか。それは良かった。あそこに信号が見えるだろ?ひとつ、ふたつ、、、」
「オーカイ、オーカイ(^_^;)」
「よーし!お前がそこまで言うなら信用してやろう。二度と迷うんじゃないぞ。もう戻って来るな。早く行け!大丈夫だ、心配するな!必ずたどり着く。あきらめるなよ!俺は眠いんだよまったく。誰だよお前、Fxxk!!、、、_/乙(、ン、)_…zzZZ」
顔を真っ赤にして、相当酔っていましたが、何とか道を聞き出すことができました。でも本当にこれで大丈夫なのでしょうか(^_^;
そういえば、この日は、電車を乗り換える時も陽気な泥酔者に遭遇しました。「俺はスペインから来た~」と大きな声で騒ぎながら「♪I'm your turbo lover~♪」とJudas Priestの曲を歌っていました。そのうち、呂律が回らなくなり、歌詞が「ニャ~ニャ~、ニャ~ニャ~、ニャニャ~♪」となり、乗車しても大声で歌っていたので、近くにいたガタイの良い兄ちゃんに「うるせーぞ!」と怒鳴られていましたが、あまりに楽しそうに歌っているので、周りの人も和やかに、そして怒鳴った兄ちゃんも最後はあきれて笑っていました。
そんなことはさておき、さっきの兄ちゃんも、ひどく酒臭かったけど親切でいい人だったなあ、と感謝しながら教えてもらった通りに、ひとつ、ふたつ、三つめの信号を右に行ったら、、、
あれ?また元の場所に戻ってきてしまいました(^_^;
まずい、まださっきの場所にいます。見つかったらまた絡まれそうなので、こっそり引き返すと、信号を一つ見落としていたのに気づきました。自分が間違っていたのです。
そして、今度こそ、正しい道を歩んで無事ホテルに到着することができました。鍵も問題なく開きます。
いやぁ、さっきの人は何だったのでしょう?相当酔って、フラフラでしたが、正しい道を教えてくれるとは。アル中か、麻薬でもやっていそうな人でしたが、おかげで助かりました。ありがたや~、ありがたや~。
そんなこんなで、部屋に着いた時体はヘトヘトで、ぐったりとベッドにヘッド・スライディング。
薄れ行く意識の中で、何かをしなければと思ったのですが、何だったかなー、と分からないまま、おそらく数秒後にはすでに眠りに落ちていました。
(つづく)
- | HOME |