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親野智可等 ~ ドラゴン桜 わが子の「東大合格力」を引き出す7つの親力

  • 2007/12/03(月) 23:59:37

 タイトルはあまり好きではないのですが、勧められるままに読んだら共感するところが結構多かったです。

 主に、小学生ぐらいのお子さんをお持ちのお父さん、お母さんを対象とした本だと思いますが、何も受験や子育てに限った話ではないと思います。会社なら部下や後輩に対し、また自分自身の向上意欲を如何に維持し、高めてゆくかのヒントになるのではないでしょうか。大人も子供も、基本的なところは変わらないと思います。


 本書の冒頭には、
 漫画『ドラゴン桜』は私たちに次のようなメッセージを送っています。

①高いモチベーションをもって
②合理的な勉強方で
③努力を継続すれば、
④だれでも学力を高めることができる

(中略)

 そしていま、実際に子供を育てている親のみなさんにも、このメッセージはたいへん有効です。親がこのメッセージを活用する場合は、

①子供に明確な目標をもたせて、
②楽しく、無理のない勉強法を(私はこれを「楽勉」と呼んでいます)
③日常生活のなかで継続すれば、
④どんな子供でも伸びる
とあります。当たり前といえば当たり前なのですが、④の結果のみを求め、①~③を忘れてしまっていることは意外に多いかもしれません。勉強嫌いな子に「勉強しなさい」と言ったり、不登校の子を無理やり学校に行かせたりするのはその典型でしょう。

 勉強に限らず、なにかを遂行しようとするとき、最も大切なことは自発的・能動的な動機付けだと思います。他人から強制されたものは「やらされている」という意識があって、ちょっと困難があると「○○のせいだ」と苦痛を感じ、効率も落ちる、そしてますます嫌いになる、という悪循環に陥ります。
 一方、自分の「やりたいこと」「好きなこと」は、楽しく学ぶことが出来るので、少々のことで挫けることはなく、気づいたら成長していた、ということにつながります。
 例えばGoogleの職場といったら、自由にペットを飼ったりゲームが出来たり、社員食堂は無料で豪華メニューだったりと、創造力を最大限に引き出す社内環境に驚かされるのは有名です。

 知らず知らずのうちに子供を「賢く」育てる方法、子供が楽しく学べるように親としてどうサポートしてやればよいか、本書では「楽勉」こそ真の勉強と主張しています。「楽勉」とは、“ひとことで説明すると、子供が日ごろの生活や遊びのなかで、ラクラクと楽しみながらできる勉強”であり、たとえば次のようなことが例示されています。
・歴史漫画をよませる
・テレビの横に地図を置く
・ことわざカルタで遊ぶ
・ペットボトルや牛乳パックで水のかさの実験をする
・プラネタリウムに行く
 これらの遊びは「なぜ?」という好奇心や、「ここをこうしたら」という想像力、創作意欲を刺激する楽しみがあります。本来、子供にはそういう遊び心が備わっているもので、それを殺すも伸ばすも大人の意識にかかっているのだと思います。好きなことを徹底的に調べているうちに博学になったさかなクンも、母親の理解があってのこと、と紹介されています。

 机の前で座って基本的な事柄を頭に「詰め込む」ことも、大事なことだとは思います。ただ、①の「明確な目標」が抜けてしまったら、どんな努力も水泡に帰してしまうことを知っておくべきだと思います。
「ゆとり」と「詰め込み」のバランスを見極め、子供も大人も、楽しみながら成長してゆきたいものです。

Links:
親力で決まる子供の将来
親力診断テスト
本を読もう!!VIVA読書!
黒猫ぼのぼの読書日記
国会議員ドットコム


目次:
第一章 「親力」が子供の将来を決める!
第二章 「好きなこと」でしか子供は伸びない
第三章 「地頭」をよくするために親にできること
第四章 「楽勉」が東大合格の“素質”を育む
第五章 ここがちがう!「伸びる子」の生活習慣
第六章 ある日突然、劇的に成長する子の共通点
第七章 「報酬」を与えてはならない