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CAMEL / Dust and Dreams

  • 2009/01/30(金) 00:00:00



1992年の作品。

当時は、キャメルともラティマーとも知らなかったのですが、夜明け前の4時から5時にかけて、伊藤政則氏のラジオ、「Power Rock Today」で聴いて、涙しました。セーソクさんお得意の反則技です。空が薄っすらと白んでくるあの時間帯にこれを聴かされたら、「泣け!」といわんばかりの叙情性ではありませんか!
高校時代、発売と同時に買いました。


アンディ・ラティマーの渾身のギター、ヴォーカル、フルート、キーボードは、鳥肌が立つほど素晴らしいです!
辛口で有名な英国雑誌からも「完璧」と称賛されたとか(アマゾンに投稿されたレビューより)。


この壮大なドラマは、ジョン・スタインベックの小説、『怒りの葡萄』に基づかれたコンセプトアルバム。スタインベックはこの小説が認められ、ピューリッツァー賞ノーベル文学賞を受賞していますが、CAMEL のこの作品も、それに匹敵する賞賛を与えられて然るべきだと思います。


「Dust And Dreams」は、Andrew Latimer 自身の「怒りの葡萄」でもあるのです。J.E.Steinbeck が作品にこめた普遍的メッセージは、時を超え、新たなサウンド・エナジーへと変換されました。
解説 大河原全志(ライナーより)
自主制作で作り上げたこの名作は、まさにラティマー自身の生き様が投影されているものに違いありません。

逆境を正面から受け止め、乗り越えてゆく Andrew Latimer。

8年の歳月をかけ、「キャメル復活」と言わしめた本作を出した後、今度は病魔が彼を襲います。現在もなお、赤血球の腫瘍性増生をきたす病気(真性赤血球増加症?)と闘っていますが、「With Latimer!:ラティマー!おめでとう!」にもあるように、荒海を着実に突き進む船頭のごとく、少しずつ快復に向かっています。

その精神力は、単にミュージシャンとしてだけではなく、人間として敬意を払わずにおれません。

困難に立ち向かう「生きる力」、強い信念、
生に対する感謝、喜び、希望、
優しさ、温もりなどが、このアルバムからひしひしと伝わってくるのは、
ラティマーの人間性からくるものなのでしょう。

音楽的にも、
親しみやすいメロディと美しいハーモニーは、初めて聴く者をも魅了し、
聴けば聴くほど、底なしの深みに驚かされます。

そしてアルバムジャケットもまた秀逸です。

何度聴いても胸が熱くなる名盤。


ラティマーの健康を、心より念じます。


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