t.A.T.u. / 200 Km/H in the Wrong Lane
- 2009/03/31(火) 00:00:00
世界中で一世を風靡していたのは数年前。
ところが今では、
「昔、いたよね」とか、
「今、何やってんの?」とか、
「消えない tattoo、消えた t.A.T.u.」などと言われる凋落ぶり。
実は、人気絶頂のときは、余り関心がなく聴いていませんでした。
また軽薄な音楽がもてはやされているのか、と。
ところが、
最近しっかり聴くようになり、その考えを180度改めるようになりました。
t.A.T.u.って、良いですよね!!
自分の中ではエヴァネッセンスやビョークと同等のレベルの高さのとして認識されています。
これは人気が出て当然だと思いました。
では、なぜこうも忘れ去られてしまったのか。
色々調べてみると、、、
まず、t.A.T.u.とは、
リェーナとユーリャの2人組ではなく、
ロシアの音楽プロジェクトグループの総称だったんですね。
その一部を挙げるだけでも、
と、すごいスタッフの充実ぶり!
- 作曲担当:
- セルゲイ・ガロヤン (Сергей Галоян)(脱退・復帰)
- アレクサンドル・ヴォイチンスキー (Александр Войтинский)(脱退)
- イワン・シャポヴァロフ(脱退)
- R. リャプツェフ (Р. Рябцев)
- E. クリツィン (Е. Курицын)
- M. ラサル (M. Lasar)
- L. アレクサンドロフスキー (L. Alexandrovski)
- A. ポクートニ (A. Pokutni)
- V. アダリチェフ (V. Adarichev)
- 作詞担当:
- エレーナ・キーペル
- ヴァレリー・ポリエンコ (Валерий Полиенко)(脱退・復帰)
- イワン・シャポヴァロフ(解雇)
- R. リャプツェフ
- A. ヴルィフ (А. Вулых)
- A. カサエヴァ (А. Касаева)
- V. ステパンツォフ (В. Степанцов)
- 英語版作詞者:
- トレヴァー・ホーン
- マーティン・キールセンバウム (Martin Kierszenbaum)
ロシアといえば、
チャイコフスキーやストラヴィンスキーなどの大作曲家を輩出した国。
厳しい大自然と、政治的圧制をかかえたロシア国民が、魂の叫びを芸術に向けたとき、
偉大な作品として形になりやすい土壌なのかもしれません。
先に「軽薄な」と書きましたが、t.A.T.u.の音楽を聴いていると、その正反対で、
どこかノスタルジックで、重々しい悲しみや苦悩が感じ取られます。
しかし、そこに屈することなく、世の不条理を覆そうとする力強さが魅力なのかもしれません。
さらに、リェーナとユーリャの歌声は耳に心地よく、良いヴォーカリストだと思います。
で、問題はここから。
2人が同性愛の演技をするとか、
反抗的でわがままな娘を演じるとか、
それが過剰になりすぎたのが人気落下の原因になったのでしょう。
日本では「ドタキャン」事件がかなり悪影響、、、というかマスコミに叩き潰された感があります。
実際のところ、本人たちはそれらの言動を不本意に感じており、
全てはデューサのイワン・シャポヴァロフの指示によるものだったようです。
その後、シャポヴァロフは解雇されたようですが、
音楽が素晴らしいだけに、あのようなスキャンダラスなイメージが先行したのは
残念な思いがします。
「Nas Ne Dagoniat(Нас не догонят / 私たちはつかまらない)」の
英語ヴァージョンが「Not Gonna Get Us」、
「Ya Shosla S Uma(Я сошла с ума / 私はおかしくなった)」は
「All The Things She Said」と英語版になっていますが、
どちらかというとロシア語ヴァージョンの方が好きですね。
ちなみに、「Nas Ne Dagoniat」を繰り返し聴いていたら
「何でだ?こりゃ!」という空耳が聞こえてきました。
もしかして、有名ですか?