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シベリウス / 交響曲第1番 ホ短調

  • 2008/06/21(土) 00:00:00

 シベリウスの交響曲といえば2番や4、6、7番が評価高いですが、この第1番も捨て難いです。

 何が良いかといえば、北欧色が強く感じられるところでしょうか。特に、第1、4楽章の冒頭、どちらも同じ主題で始まっていますが、前者はクラリネットにより悲しげに、後者は弦楽合奏により悲劇的に始まるところが印象的です。

 第1楽章では、前奏の後、突如ヴァイオリンのトレモロが始まり、第1主題が提示されます。ここがいかにも北欧らしく好きなところです。やがて金管楽器やティンパニーを伴い壮大に盛り上がり、ベートーヴェンの第9の第1楽章を思わせる展開も。

 第2楽章は穏やかで牧歌的に始まりますが、激しく盛り上がるところもあります。穏やかなところは美しくて癒されます。

 第3楽章、スケルツォでリズミカル、荒々しいです。

 第4楽章。冒頭はチャイコフスキー的でもあります。第1楽章と同じくらい好きです。

 作曲の経緯を調べてみると、「シベリウスは滞在先のベルリンで早速交響曲の作曲に着手したのだった。この頃のシベリウスは酒におぼれ浪費癖をおぼえ、自堕落な生活を送っていたのだが、この作品の作曲当初は酒も葉巻も控え作曲に集中した。しかしそれも長続きはせず、酒に酔ったあげく乱闘騒ぎまで起こしている」とありますが、気性の激しい人だったのでしょうか。確かに、乱闘騒ぎのような所が曲中にも随所みられますし、肖像画からも感じられます。


第1楽章の一部