はてなキーワード: 保険証とは
電話が鳴ったのは、日曜の昼下がりだった。
二十三年ぶりの声だった。母が泣きながら離婚届を書いていた夜のことは、もうほとんど思い出せない。覚えているのは、父の背中がやけに緑っぽかったことだけだ。当時は蛍光灯のせいだと思っていた。
「……父さん? どこにいるの」
「屋上」
驚いてベランダから見上げると、隣のマンションの屋上に、全身が深い緑色をした男が立っていた。Tシャツと短パン姿で、両腕を広げて空を仰いでいる。その肌は、新緑というよりも、もっと真剣な緑だった。光合成に最適化された緑。
「降りてきてよ」
「いや、今ちょうど日が当たってるから。あと二時間くらいで満腹になる」
父はそう言って電話を切った。
二時間後、父はうちのリビングにいた。麦茶を出したが、手をつけない。
「水は根から吸うんだ」と父は言った。靴下を脱ぐと、足の裏から細い根のようなものが何本も伸びていた。父はそれをフローリングの溝に丁寧に差し込んだ。
父の話を要約すると、こうなる。家を出た直後から体が緑色になり始め、三年目には完全に光合成だけで生きていけるようになった。食費がかからないので貯金が増え、今は川沿いの日当たりのいい土手に住んでいる。住所は不定。雨の日は元気がない。冬は沖縄に行く。確定申告はしていない。
「つまり、僕と母さんを捨てて、光合成で暮らしてたってこと?」
「捨てたんじゃない。正確には、日照条件の良い場所を求めて移動した結果、家庭から離れた」
「それを世間では捨てたって言うんだよ」
父は黙って窓の方を向いた。三月の西日が差し込むと、父の肌がわずかに艶を帯びた。おやつの時間だったらしい。
翌週、父を病院に連れて行った。
医者は父の腕を見て、しばらく沈黙した後、「ずいぶん立派な葉緑体ですね」と言った。特に治療の必要はないらしい。保険証はあるかと聞いたら、父は市民税を払っていないので保険証がないと言った。医者はもう一度沈黙した。
帰り道、父が言った。
「増田、お前も少し日に当たったほうがいい。顔色が悪い」
「やってみなきゃわからないだろう」
父はいつもそうだった。母から聞いた話でも、脱サラして手品師になると言ったり、庭でトリュフを栽培すると言ったりしていたらしい。結局どれも続かなかったが、光合成だけは二十三年続いている。人間、向き不向きがあるのだろう。
四月の終わりのある日、父から写真が送られてきた。LINEの使い方は教えた。
写真には、河川敷に並んで日光浴をしている数人の緑色の人々が写っていた。四月の陽射しは光合成には最高のコンディションらしく、全員が満足そうに目を閉じていた。
「仲間ができた」
とだけ書いてあった。
僕は既読だけつけて、カーテンを閉めた。そしてコンビニ弁当を電子レンジに入れた。三分間の加熱音を聞きながら、ふと思った。
父は幸せなのかもしれない。
土と水と光だけで生きていくこと。届いた税金の督促状を読めないふりをすること。雨の日にはしょんぼりして、晴れた日には両腕を広げること。それは確かに無責任で、身勝手で、どうしようもなくて――でも、風が窓から吹き込んできたとき、少しだけ、羨ましかった。
電子レンジが鳴った。
保険証と機能も大雑把な見た目もほとんど同一で区別するのもあほらしいものを病院薬局に行くといちいち資格確認証っていうのやめてほしいわって思うのはxをツイッターと言えと言ってるの同じ厄介野郎でしかないのか?
何回資格確認証って言われても一瞬何言ってるのかわからないもん。あれが資格確認証だといちいち頭に叩き込むの面倒なんだが?
dorawiiより
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内容は至って普通のことで、上司のパワハラに耐えられなくなったということ。我慢したのは1年くらいだけど、それ以外は給料も良かったし他の人間関係も良かったし、辞めるほどのことではない。
ただ自分が耐えられなくなった。それだけ。ストレスで体を壊したりもしていない。けど、辞めるには3ヶ月前に直属の上司に申し出なければならなかった。
ある日突然、我慢の限界がきた。もう次出勤したくない、と強く思った。パワハラ上司と会話を一切したくなくなった。
そこで手を出したのが退職代行だ。有給は14日ほど余っていた。法律上退職は2週間前の申し出で良いことは知っていた。退職代行に伝えたら、2週間出勤なしで辞められる!と思ったのだ。
職場から契約と違うとか、慰謝料を請求されるとか、そういう話を聞くこともあったので弁護士が監修しているところを探した。
そこで見つけたのがとある退職代行だ。LINEでやりとり出来るし、即日連絡をしてくれるという。明日から出勤したくない!という人にぴったりというやつだ。
辞めてやる!と決めてから私は荷物を全部引き払った。制服は全て職場のクリーニングに出したので返却する必要もなくなった。ロッカーの鍵は挿しっぱなしにしてきた。
次の日からたまたま2日間の休日だったので3日後に出勤する必要がなくなればOK、と少しばかり余裕のある日程だった。
さすがに辞めさせてもらえないということはないだろうが、そうなったときに不安なので後払い可能な退職代行に頼んだ。
1件目、支払い能力があるかどうか審査結果が出てから対応しますという連絡があって、丸1日経ったが連絡がなかった。(ちなみにその2日後に審査が通ったのでこれから対応出来ますと言われたがもう遅い)
2件目、8万円かかると言われ、前払いと言われた。サイトに掲載されている話と違うじゃないか。
3件目、即対応だった。本当に早かった。ただ、それが問題だった。
3件目は即日対応、後払い可能、24000円という破格の条件だ。勿論、弁護士監修。ただ注釈や、小さく書いてある部分を読むと話が違ってくる。(これを私は読んでいなかった。早く退職を決めたかった)
退職してから払い→退職日が確定(つまり入電した日)したら支払い
弁護士監修→弁護士が直接話をしてくれるわけじゃない。あくまでも監修
手取り足取り教えてくれる→こっちが質問した内容しか返してくれない
職場とのやりとりを全て請け負ってくれる、という話だったので「電話がかかってくることはないと思うが、こちらが職場の連絡先を着拒しておくのは大丈夫か」と聞いた。やりとりで不利になることがないようにちゃんと聞いておいた。
返事は「そっちで勝手にする分には構いませんよ」だった。投げやりすぎるだろう。
「一切連絡を取りたくない」とも伝えておいた。さて職場への入電後、退職代行からきたメッセージはこうだ。
「対応した方が突然は困る。3ヶ月前に申請という職務規程になっている。理由を知りたいから直属の上司に電話をしてくれないか、と言われたので電話をかけてもらっても良いでしょうか?」
人の話を聞け、と思った。事務対応しかしないらしい。連絡をしたくないこと、今すぐ辞めたいこと、有休消化で出勤もしたくないこと、そして理由も一切伝えたくないこと。
伝言はするが、代弁はしないという徹底ぶりだった。こっちの精神がすり減る。これ、メンタル壊して退職代行使う人にはかなり酷なのではないだろうか。
更に「退職日が確定したので7日以内に振り込んでくれ」「退職届を職場から送るらしいからそれを記入して送り返せとのこと」と連絡。
退職届、後日届きました。返信用封筒もなく。法律上退職届は必要ないはずなのだけれど?と聞いてみたところ「法律に関しては我々からは言えません」だそうです。
ということでちゃんと送りました。保険証を返せという指定日があったのでその日に同封して発送したところ、当日に着信拒否した通知一覧に職場の電話番号が。
退職代行から「退職関連の書類が届かないと連絡が来ました」と。保険証と一緒に送りましたよ、と伝えたところ「退職関連の書類は?」ともう一度聞かれました。文章を読め。全部同封したと書いた。読め。
今度こそ終わりかと思ったら退職代行に言われていた退職日と違う日に退職になっていたと。ややこしいが「14日に退職と言われていたのに有休計算をミスしていて全部使うと17日退職になってた」ということらしい。
で、退職届を書き直せと。退職代行を通して連絡。しかもそっちで準備しろ、郵送で出せ、とまたこちらに郵送代を出させる気らしい。退職届がないと離職票やら何やらの準備が出来ない、とのこと。知らんわ。
退職代行に全然スムーズに退職させてもらっていないのだけれど?とさすがにクレームをつけましたが私たちは伝言しか出来ないので……と。すっかり呆れ果てたので
「退職届は出さない。修正ならそっちでしろ。有休は全部使用して17日退職で処理しろ。どうしても退職届が欲しいなら返信用封筒を同封の上でこっちに郵送しろと伝えろ。それ以外の対応を私はしないし相談にも乗らない。14日付けの退職になっていたら代行がしっかりしていないせいだ。有休を全部使って退職出来るとうたっていただろ」
という内容をかなり薄めのオブラートに包んでお伝えし、さくっとLINEをブロックしたのでした。
頼んだ日からずっともやもやいらいらしていたけれど、さすがにちょっとな、と思ったのでした。全部丸投げしたいのなら高いお金を出してでも弁護士に頼むのが確実です。退職代行、しかも安いところに頼んだらそりゃそれ相応の対応しかしてもらえないわなぁと金をドブに捨てた気持ちで面接に向かいました。