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2014-03

STAP細胞論文ねつ造疑惑の核心

 小保方晴子さんの発表したSTAP細胞論文のねつ造疑惑報道を見るにつけ、共著者の若山さんの指摘する通り、問題はやはり2011年2月に当人が書いた博士論文の焼き直しだと感じました。報道では分かりづらいと思いますが、骨髄から採取した細胞を培養し、万能細胞ができたとする当時の博士論文は、ES細胞やiPS細胞の原理と同じで、目新しいものではありません。ところが今度のネイチャー論文では、そのときの写真をSTAP細胞という新しい万能細胞への培養だとして置き換えたものだといいます。だから、「根幹が揺らいでしまった」と若山さんは言うのでしょう。
 そう感じたのは、小生がかつて東大初のベンチャー企業として上場した「エフェクター細胞研究所」の取材をした経験から。同社も万能細胞の研究をしていて、研究者は「細胞の培養は職人技で、ときに成功することもある」と話していました。しかし結局、エフェクターは万能細胞を恒常的に作り出すことができず、上場も廃止してしまいました。小保方さんたちはさすがにそれより上を行っていると思います。が、ことの構造は同じではないでしょうか。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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