多くのパレスチナ難民が住むシリアの首都ダマスカス南部ヤルムーク地区は、2011年に始まった内戦で完全封鎖されて餓死者が相次いだうえ、一時は過激派組織「イスラム国」(IS)による支配も受けた。「いまは水も食べ物もある。ようやく息ができる」。廃虚と化した街で、住民たちはアサド政権の崩壊に安堵(あんど)の思いを打ち明けた。
ヤルムークは首都中心部からわずか3キロしか離れていない。だが、地区に足を踏み入れると、その惨状に圧倒された。道の両脇にそびえる集合住宅は軒並み壊れ、ほとんど無人になっている。
「アサド政権の空爆でほぼ全ての建物が破壊された。みんなで『政府が道幅を広げようとしている』と話していたよ」。バイクで通りかかった高校教師のハーディさん(38)は苦笑した。
ヤルムークには、1948年の第1次中東戦争で故郷を追われたパレスチナ難民のキャンプが作られ、第2世代以降の子孫らも居住している。シリア内戦が始まるまでは15万人以上が暮らし、「リトル・パレスチナ」と呼ばれていた。
…
この記事は有料記事です。
残り757文字(全文1198文字)
【時系列で見る】
-
「犬猫を食べた」シリアのパレスチナ難民 餓死に処刑も、内戦の実態
10時間前 -
「シリアに介入する口実ない」 反体制派指導者、イスラエル空爆批判
12時間前動画あり -
シリア、暫定政権下で改憲へ 円滑な政権移行は未知数、治安も課題
12時間前 -
「どれが息子か分からない」 シリアの遺体安置所に渦巻く号泣と怒り
13時間前 -
シリア旧反体制派の指導者、イスラエルと戦闘は否定的 国の再建優先
14時間前 -
盗聴記録や酒が散乱 アサド前大統領の弟が率いた軍司令部の実態は
15時間前 -
シリア最大の「輸出品」薬物カプタゴン アサド政権の収入源に
1日前 -
残された大量の錠剤 アサド政権支えたシリア軍の極秘「麻薬工場」
1日前 -
「祖父はきっとどこかに」 暗黒の政治犯刑務所で続く捜索 シリア
1日前動画あり -
「王のよう」アサド氏の大豪邸 100メートル超の地下通路も
1日前 -
米、拷問に関与したシリア元高官を起訴 素性隠して米国に移住
2日前 -
解放されたのは「処刑」当日 拷問から生還したシリア活動家
2日前 -
「狭いトイレに30人」 シリア軍の拘禁施設開放 収容者が拷問証言
2日前 -
命と引き換えに守った「砂漠の花嫁」 過激派に屈しなかった歴史学者
2日前 -
ガザ停戦、年内の合意に意欲 ハマスも譲歩か 交渉仲介の米高官
2日前 -
「勝利」の高揚感続く首都ダマスカス 「生まれて初めて自由感じた」
2日前 -
「シリアへようこそ」 アサド政権崩壊、住民ら笑顔で「解放」の喜び
3日前 -
シリア混乱でIS戦闘員9000人収容の施設管理に懸念 鍵握るトルコ
3日前 -
国連総会、ガザ即時停戦を求める決議 UNRWA支持表明も採択
3日前
関連記事
あわせて読みたい
' +
'
' +
'' + csvData[i][2] + '
' + '' +
'' + listDate + '' +
'
' +
'