
約8年で会った未成年の少女は100人以上。SNS(ネット交流サービス)を駆使する「裏アカ男子」として児童買春を続けた坂上タカヨシ受刑者(40)=仮名=は2024年10月、3度目の起訴にして初めて懲役4年6月の実刑判決を受けた。「性交は少女の心の闇を癒やす手段だった」。巧妙に少女たちを手なずけてきた坂上受刑者の言葉からは、ゆがんだ正義感が垣間見えた。
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少女に懐かれると劣等感が消えた 買春繰り返す性依存症、家族も黙認
9月下旬、濃いグレーのスーツを着た被告は、背筋を伸ばして札幌地裁の証言台に座っていた。
弁護人が問いかける。
――なぜ16歳未満の少女と性交したのですか?
「まず『援助交際』で会い、相手が拒否しなければそのままやっていました」
――相手の「心の闇を癒やす手段」だったのですか?
「そう思っていました」
――性交渉をした以上、自分の欲求もあった?
「はい」
――許されないことをした自覚はありますね?
「罰せられるのは当然です。ただ、僕は何も言えないが、未成年を守る法律や制度が拡充して、子供が心を開いてくれる世の中になれば……」
性欲の対象として接する一方で、孤独な子供を救いたいと願う。法廷で自身を省みた言葉の節々には、矛盾をはらんだ強固な思想がにじんでいた。
坂上受刑者は24年、13歳と14歳の少女と性交した不同意性交等などの容疑で初めて逮捕された。2017年と20年には児童買春などの罪で略式起訴され、有罪判決を受けている。
犯罪と知りながらなぜやめなかったのか。どのような手口で少女たちに近づいたのか。
保釈されていた坂上受刑者は判決前、匿名を条件に毎日新聞の取材に応じた。白のセットアップにサングラス姿で取材場所に現れると、冗舌な口調で過去を語り始めた。
異なる人格演じ分…
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