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事件や紛争の解決を見届ける司法記者は日々、さまざまな裁判に遭遇しています。司法の現場の知られざるエピソードを報告します。

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100人以上の少女を買春した理由 元「裏アカ男子」のゆがんだ正義感

判決前に取材に応じた坂上受刑者。8年間繰り返してきた買春について「少女の心の闇を癒やす手段だった」と持論を語った=札幌市中央区で2024年10月16日午後6時36分、後藤佳怜撮影
判決前に取材に応じた坂上受刑者。8年間繰り返してきた買春について「少女の心の闇を癒やす手段だった」と持論を語った=札幌市中央区で2024年10月16日午後6時36分、後藤佳怜撮影

 約8年で会った未成年の少女は100人以上。SNS(ネット交流サービス)を駆使する「裏アカ男子」として児童買春を続けた坂上タカヨシ受刑者(40)=仮名=は2024年10月、3度目の起訴にして初めて懲役4年6月の実刑判決を受けた。「性交は少女の心の闇を癒やす手段だった」。巧妙に少女たちを手なずけてきた坂上受刑者の言葉からは、ゆがんだ正義感が垣間見えた。

 <後編はこちら>
 少女に懐かれると劣等感が消えた 買春繰り返す性依存症、家族も黙認

 9月下旬、濃いグレーのスーツを着た被告は、背筋を伸ばして札幌地裁の証言台に座っていた。

 弁護人が問いかける。

 ――なぜ16歳未満の少女と性交したのですか?

 「まず『援助交際』で会い、相手が拒否しなければそのままやっていました」

 ――相手の「心の闇を癒やす手段」だったのですか?

 「そう思っていました」

 ――性交渉をした以上、自分の欲求もあった?

 「はい」

 ――許されないことをした自覚はありますね?

 「罰せられるのは当然です。ただ、僕は何も言えないが、未成年を守る法律や制度が拡充して、子供が心を開いてくれる世の中になれば……」

 性欲の対象として接する一方で、孤独な子供を救いたいと願う。法廷で自身を省みた言葉の節々には、矛盾をはらんだ強固な思想がにじんでいた。

 坂上受刑者は24年、13歳と14歳の少女と性交した不同意性交等などの容疑で初めて逮捕された。2017年と20年には児童買春などの罪で略式起訴され、有罪判決を受けている。

 犯罪と知りながらなぜやめなかったのか。どのような手口で少女たちに近づいたのか。

 保釈されていた坂上受刑者は判決前、匿名を条件に毎日新聞の取材に応じた。白のセットアップにサングラス姿で取材場所に現れると、冗舌な口調で過去を語り始めた。

異なる人格演じ分…

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