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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から2年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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旗艦沈没「ロシアの苦戦、印象与える」 東京大・小泉悠専任講師

小泉悠・東京大専任講師=東京都目黒区で2020年12月25日、宮本明登撮影
小泉悠・東京大専任講師=東京都目黒区で2020年12月25日、宮本明登撮影

 ウクライナ侵攻中のロシア軍で黒海艦隊旗艦である巡洋艦「モスクワ」が沈没したことについて、東京大の小泉悠専任講師にその影響などを聞いた。

   ◇

 モスクワは巡航ミサイルを発射し、ウクライナ南部を脅かしていたわけではないと思う。むしろ巨大なレーダーを高い位置に積んで、黒海全体の状況を見渡す「艦隊の目」だったのではないか。強力な防空能力を持っていたので、非武装の揚陸艦など黒海艦隊全体を守る役割も担っていたのではないか。従って、モスクワが沈没したから、ウクライナ侵攻作戦に支障を来すわけではないだろう。

 今回のウクライナ侵攻では東部戦線に焦点が置かれ、陸の戦いがメインになっている。今回の件だけを受け、大きく情勢が変化するとは思わない。

 一方で、もしウクライナ軍の攻撃でモスクワが沈められたとしたら、今後、露海軍は容易に黒海沿岸の主要都市オデッサ沖合に近づけなくなる。米国防総省も指摘しているが、モスクワが爆発した後に、ロシアの艦隊は百何十キロの圏外まで退避したといわれている。南からのロシアの攻撃を懸念してきたウクライナにしてみれば、その点を軽減できたのは大きいのではないか。

 ウクライナの海軍は一度消滅したこともあり、…

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