琴線・涙腺・カウパー腺を震わせる『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』
久しぶりに正座してアニメ観てる。これは、現代によみがえった『おじゃまユーレイくん』である。
どうせ深夜のエロコメディーと多寡くくっていたら、度肝を抜かれた。保健室での四つんばい放尿⇒お兄ちゃんに目撃されるとか、どう見ても女の子同士で性交しているとしか思えないシーンとか、我慢に我慢を重ねギリギリ漏れそう⇒間に合って排尿する恍惚顔とか、レッドラインを易々と踏み越えている。
そして、妹の羞恥心への一撃一撃が、こっちのカウパー腺に響きまくる。とり憑いた幽霊娘に貞操帯を強制着用させられ、トイレすらままならぬとはけしからん。どうやら頻尿の気があるようだが、大はどうするのだ大は!想像するにしたがって、いても立っても勃ったままになる。幽霊を成仏させるためにお兄ちゃんとイチャラブしないと私も死んじゃう!という設定はどこかで聞いたようなものの、敏感すぎる性感がもたらすハプニングは、毎回毎回ハラハラさせられっぱなし。
血のつながらない、突然できた妹と二人暮らしの「家族」をすることで、「家族とは何か」、「妹が“好き”とはどういうことか?」というシリアスでギリギリの問いかけが突きつけられる。めまぐるしい展開の中、このキモを旨く物語に落とし込んでおり、いちいちしんみりさせられる。おかげで涙腺ゆるみっぱなし。そうだね、愛とは尽きぬ優しさやね。
強引すぎる設定や、オマージュ丸だしの伏線は、『Kanon』や『みずいろ』といった号泣したギャルゲを思い出していたたまれなくなる。おっさんゴコロをくすぐるためか、『ななこSOS』だとか『ハートキャッチいずみちゃん』とか『Oh!透明人間』といった懐かしネタをサブタイトルに持ってくる。お約束の展開と収束は、何を見てもノスタルジックに湧き出てくる。過去は、思い出したときにだけ現実化する。
ちと怖いのが、今後の展開。「家族として親しくなるv.s.異性として好きになってしまう」相克は、ドラマチックにラストを盛り上げる規定路線だろうけど、若松みゆきや野々村亜美にはならないと踏んでる。問題はその後、このまま『おじゃまユーレイくん』展開なら、当然のことながら、妹のようすは、もっとおかしくなる。それは決して、「めでたしめでたし」ではないのだから。
真面目に下品を追求すると、愛のありかが見えてくる傑作。
| 固定リンク
コメント