早川書房 X 東京創元社の100冊
好きな本を持ちよって、まったりアツく語り合い、最後はオススメ交換会。
今回は「早川書房・東京創元社」で集まったり集めたり、過去最大級の賑わいなり。ご協力いただいた早川書房さま、東京創元社さま、ご参加いただいた皆さま、主催者・スタッフの方がた、ありがとうございます。ズバピタさん、7時間に及ぶtwitter実況、大感謝です。メガ便利ですがギガ大変だったはず。
ハンティングの結果、得られた気づき、そしてわたしのプレゼンと、書くことも沢山ある。このエントリでは、以下の順にまとめよう。
1. 早川書房 X 東京創元社の100冊
2. 小中学生のための早川書房 X 東京創元
3. kindleと『薔薇の名前』
1. 早川書房 X 東京創元社の100冊
まずはプレゼン、プッシュ、放流された獲物たち。会場、facebook、twitterから、事情により持ってこれなかったり放流できなかったものも含め、新刊も絶版も図書館の本も、山ほどオススメされる。まずは見てくれ、この獲物。他の出版社が入ってるし、ゲームまじってるし、冊数は100を超えるけど、勘弁な。
- 『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ(東京創元社)
- 『死の蔵書』ジョン・ダニング(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 『STEINS;GATE シュタインズ・ゲート for PSP』5pb(角川書店)
- 『オスカー 天国への旅立ちを知らせる猫』デイヴィッド・ドーサ(早川書房)
- 『創世の島』バーナード・ベケット(早川書房)
- 『51番目の密室』クレイグ・ライスほか(ハヤカワ・ミステリ)
- 『原始の骨 アーロン・エルキンズ』(早川書房)
- 『私の中のあなた』ジョディ・ビコー(早川書房)
- 『クリスマスのフロスト』R.D.ウィングフィールド(創元推理文庫)
- 『パンプルムース氏のおすすめ料理』マイケル・ボンド(創元推理文庫)
- 『必然の結末』ピーター・ロビンスン(創元推理文庫)
- 『料理人』ハリー・クレッシング(ハヤカワ文庫)
- 『アンドロギュノスの裔(ちすじ)』渡辺温(創元推理文庫)
- 『プリズム』貫井徳郎(創元推理文庫)
- 『百億の昼と千億の夜』光瀬龍(ハヤカワ文庫)
- 『ハーモニー』伊藤計劃(ハヤカワ文庫JA)
- 『虐殺器官』伊藤計劃(ハヤカワ文庫JA)
- 『ブラウン神父の童心』G・K・チェスタトン(創元推理文庫)
- 『武器製造業者』A・E・ヴァン・ヴォークト(創元SF文庫)
- 『たったひとつの冴えたやりかた』ジェイムズ・ティプトリー・Jr.(ハヤカワ文庫)
- 『たったひとつの冴えたやりかた改訳版』ジェイムズ・ティプトリー・Jr.(早川書房)
- 『オリエント急行の殺人』アガサ・クリスティ(ハヤカワ文庫)
- 『われはロボット』アイザック・アジモフ(早川文庫)
- 『地球幼年期の終わり』アーサー・C・クラーク(創元推理文庫)
- 『幼年期の終り』アーサー・C・クラーク(ハヤカワ文庫SF)
- 『イルカの島』アーサー・C・クラーク(創元SF文庫)
- 『黒後家蜘蛛の会』アイザック・アシモフ(創元推理文庫)
- 『京美ちゃんの家出』東野司(ハヤカワ文庫JA)
- 『ソードアート・オンライン』川原礫(電撃文庫)
- 『石に刻まれた時間』ロバート・ゴダード(創元推理文庫)
- 『永遠に去りぬ』ロバート・ゴダート(創元推理文庫)
- 『千尋の闇』ロバート・ゴダート(創元推理文庫)
- 『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 『ここがウィネトカなら、きみはジュデイ 時間SF傑作選』アンソロジー(ハヤカワ文庫)
- 『ブルー・シャンペン』ジョン・ヴァーリィ(ハヤカワ文庫)
- 『バービーはなぜ殺される』ジョン・ヴァーリィ(創元SF文庫)
- 『へびつかい座ホットライン』ジョン・ヴァーリィ(ハヤカワ文庫)
- 『ハイペリオン』ダン・シモンズ(ハヤカワ文庫SF)
- 『時計は三時に止まる』クレイグ・ライス(創元推理文庫)
- 『素晴らしき犯罪』クレイグ・ライス(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 『愛のゆくえ』リチャード・ブローティガン(ハヤカワepi文庫)
- 『日の名残り』カズオイシグロ(ハヤカワepi文庫)
- 『マルドゥック・スクランブル』冲方丁(ハヤカワ文庫JA)
- 『マルドゥック・ヴェロシティ』冲方丁(ハヤカワ文庫JA)
- 『黒いカーニバル』レイ・ブラッドベリ(ハヤカワ文庫NV)
- 『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫)
- 『ガニメデの優しい巨人』ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫)
- 『何かが道をやってくる』レイ・ブラッドベリ(創元SF文庫)
- 『10月はたそがれの国』レイ・ブラッドベリ(創元SF文庫)
- 『桜庭一樹読書日記――少年になり、本を買うのだ。』桜庭一樹(創元ライブラリ)
- 『桜庭一樹読書日記――お好みの本、入荷しました。』桜庭一樹(創元ライブラリ)
- 『死の泉』皆川博子(ハヤカワ文庫JA)
- 『スノウホワイト グリムのような物語』諸星大二郎(東京創元社)
- 『銀河パトロール隊――レンズマン・シリーズ』E・E・スミス(創元推理文庫)
- 『彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス』ジャック・キャンベル(ハヤカワ文庫SF)
- 『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』スコット・ウエスターフェル(新ハヤカワ・SF・シリーズ)
- 『ゲイルズバーグの春を愛す』ジャック・フィニイ(ハヤカワ文庫FT)
- 『クリムゾンの迷宮』貴志祐介(角川ホラー文庫)
- 『産業士官候補生』眉村卓(ハヤカワ文庫JA)
- 『燃える傾斜』眉村卓(ハルキ文庫)
- 『一九八四年[新訳版]』ジョージ・オーウェル(ハヤカワepi文庫)
- 『華氏451度』レイ・ブラッドベリ(ハヤカワ文庫NV)
- 『すばらしい新世界』オルダス・ハクスリー(講談社文庫)
- 『火星のプリンセス』エドガー・ライス・バローズ(創元SF文庫)
- 『毒ガス帯――チャレンジャー教授シリーズ』コナン・ドイル(創元SF文庫)
- 『失われた世界』コナン・ドイル(ハヤカワ文庫SF)
- 『ディミター』ウィリアム・ピーター・ブラッティ(創元推理文庫)
- 『都市に降る雪』波多野鷹(ハヤカワ文庫HB)
- 『グイン・サーガ 7 望郷の聖双生児』栗本薫 (ハヤカワ文庫JA)
- 『ぼくらの時代』栗本薫(講談社文庫)
- 『渚にて――人類最後の日』ネビル・シュート (創元SF文庫)
- 『パイド・パイパー』ネビル・シュート (創元推理文庫)
- 『残像に口紅を』筒井康隆(中公文庫)
- 『ファイアスターター』スティーブン・キング(新潮文庫)
- 『死のロングウォーク』スティーブン・キング(扶桑社ミステリー)
- 『御馳走帖』内田百けん(中公文庫)
- 『悪魔に食われろ青尾蝿』ジョン・フランクリン・バーディン(創元推理文庫)
- 『うたかたの日々』ボリス・ヴィアン(ハヤカワepi文庫)
- 『王女マメーリア』ロアルド・ダール(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 『キャプテン・フューチャー 彗星王の陰謀/惑星タラスト救出せよ!』エドモンド・ハミルトン(創元SF文庫)
- 『Spirit of Wonder スピリット・オブ・ワンダー』鶴田謙二(講談社)
- 『タンタンの冒険旅行 めざすは月』エルジュ(福音館書店)
- 『シャーロック・ホームズの新冒険』グリーンバーグ編(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 『エドウィン・ドルードの失踪』ピーター・ローランド(創元推理文庫)
- 『文房具を楽しく使う ノート・手帳篇』和田哲哉(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 『銀河英雄伝説[全10巻]』田中芳樹(創元推理文)
- 『銀河英雄伝説外伝 ユリアンのイゼルローン日記』田中芳樹(創元SF文庫)
- 『恥辱』J・M・クッツェー(ハヤカワepi文庫):
- 『夢宮殿』イスマイル・カダレ(創元ライブラリ)
- 『世界SF全集[全35巻]』(早川書房)
- 『皇帝のかぎ煙草入れ』ディクスン・カー(創元推理文庫)
- 『火刑法廷』ディクスン・カー(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 『九尾の猫』エラリイ・クイーン(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 『虹の解体』リチャード・ドーキンス(早川書房)
- 『ミレニアム』スティーグ・ラーソン(早川書房)
- 『配達あかずきん』大崎梢(創元推理文庫)
- 『貼雑年譜[完全復刻版]』江戸川乱歩(東京創元社)
- 『空飛ぶ馬』北村薫(創元推理文庫)
- 『ジュラシック・パーク』マイクル・クライトン(ハヤカワ文庫NV)
- 『歌う船』 アン・マキャフリー(創元SF文庫)
- 『スローターハウス5』カート・ヴォネガット・ジュニア(ハヤカワ文庫SF)
- 『ロードサイド・クロス for iTune』ジェフリー・ディーヴァー(文藝春秋社)
- 『時の娘』ジョセフィン・テイ(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 『レッド・ドラゴン』トマス・ハリス(ハヤカワ文庫NV)
- 『黒い薔薇』フィリップ・マーゴリン(ハヤカワ文庫NV)
- 『フィンチの嘴――ガラパゴスで起きている種の変貌』ジョナサン・ワイナー(早川文庫NF)
- 『ソロモンの指環――動物行動学入門』コンラート・ローレンツ(ハヤカワ文庫NF)
皆さんのアツい思いとエピソードが面白すぎる&タメになりすぎる。とてもじゃないがここでご紹介しきれないが、点描してみよう。
まず、ハヤカワ・東京創元での奪い合いが面白いという指摘。同作家の同シリーズなのに、ハヤカワ・東京創元で割れている。例えば、ジョン・ヴァーリィの『ブルー・シャンペン』と『バービーはなぜ殺される』や、クレイグ・ライスの『素晴らしき犯罪』と『時計は三時に止まる』など。背後はオトナの事情だろうけれど、ずばり三角関係やね、作家冥利(翻訳者冥利?)に尽きる。
次に、紀伊國屋書店の「ほんのまくら」フェアの波及効果が目に見えてスゴい。「ほんのまくら」とは、「書き出し」だけを表紙にして、タイトル、作者、出版社が隠されている。いわば、出だしでビビビっと来たらゲットだぜ、という企画。これに乗じて、出だし(とあらすじ)だけが紹介される。これは面白そう!! と身を乗り出したら、表紙とタイトルが開陳される……「買わない」「これは手に取らない」「よく原題(The Abortion)をこれにしたね、勇気ある」など手厳しい。内容から察するに、村上春樹ファンにドンピシャなのに、表紙とタイトルで大損こいてる反応に、ハヤカワ側で緊急編集会議が開かれたのであった。ケンさんのプレゼンと熱度で分かる、読まずに断定しよう、これは傑作ですな。答えはマウス反転表示→リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』。
ハヤカワと東京創元の「中の人」へのインタビューが面白い。「なんでハヤカワに入ったの?」という質問に、SFが好きというだけでなく、「出る前の本が読める」「絶版SFがタダで読める」という回答、どんだけ本が好きなのじゃ。また、フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』があまりに好きすぎて、ワンシーンをイラストで再現したしおりを自作する。読むと描きたくなる才能は凄い。本も本望やね。
ブラッティ『ディミター』の、ベクトルが全然別の、飛び散ったストーリーがラストで猛然と一挙に改修されるカタルシスとか、入れ子構造の物語とか、時代を10年先んずる様子に、「せーがー」の香ばしさを感じる(でも自重しよう)……と思っていたら、同じツッコミがタイムラインに流れて噴いた。どちらも、一行も読んでいないが、ロベルト・ポラーニョ『2666』と併せて読むと面白そうだ。
一切の救いの無いケッチャム臭がぷんぷんする波多野鷹『都市に降る雪』が欲しくなりすぎて、いてもたっても居られない。絶版状態だが、即Amazonに注文した。1円なり(送料は250円)。後で調べたら電子書店パピルスで出ており、494円なり。パピルスのアカウントは持っているが、軍配は紙の本に挙げざるを得ない。さらにダメ押し「『悪魔に食われろ青尾蝿』はマンディアルグです。要するに、悪夢のジェットコースターですね」という殺し文句に即買い。在庫は最後の一冊だった。スゴ本オフ中にAmazonアタック……リアルジャパネットたかた状態だ。素晴らしいなり&恐ろしいなり。
2. 小中学生のための早川書房 X 東京創元
これはわたしの新たな課題として受け止めたのだが、「小中学生のための早川書房 X 東京創元社」だ。子どもに本を選ぶ仕事をしているケイコさんが、こんなエピソードを語ってくれた―――小6の少年が『星を継ぐもの』が面白かったので、似たような本がないかと尋ねてきた。ケイコさんは困ってしまう……というのも、童話・物語は無敵だけれど、SFやミステリはあまり読んだことがないから。
物語から小説まで、フィクションのルートは想像がつく。小学校低~中学年にかけ、絵本、挿絵つき(ゾロリ)、コミック、シリーズもの(デルドラ、黒魔女さん)を踏んでゆく。すこし背伸で、ファンタジーの王道(エンデ、トールキン)や、文庫でジュヴナイル(ぼくらの、夜ピク)に手を伸ばす。あるいは、趣味応じてラノベ、コバルト、ノベライズに広がる。ここで文芸にハマったら、新潮文庫が格好の入口になるし、アニメ・ゲームにハマったら角川書店が待ちかまえている。
ところが、SFやミステリは間口が「無い」のだ。もちろん、新潮や角川は、SF・ミステリも揃えている。だが、SF・ミステリ「も」あるという程度。やみくもにぶつかって、SFにハマった少年少女が、早川・創元にたどり着くのだろう。
いわゆる、物語から入る本の世界だと、文学や文芸に行く。しかし、SFやミステリは、指南役のオトナがそばにいない場合が多い。子どもは自力で拓くしかない。少数の(幸運な)子どもは、上質のSF・ミステリを紹介してくれる大人にめぐりあう。早川・創元は、「好きな人向け」へ最強の布陣を敷いている。だが、「SFが好きになりそうだけど、何から入っていいか分からない」子どもには、ちと敷居が高いのではないかしらん。自分の好みを自覚している人向け、という線が引かれているように見える。わたし自身スレてしまっているので、この線を見ることができないが、小中学生は、(新潮、角川と比べると)手を出しにくいんじゃぁないかと。
朝読で本に馴染んだ小中学生向けの、次の本として、早川書房 X 東京創元社は、何があるのだろう。主人公が少年少女で、あんまり血なまぐさくなくって、世界を救うといった大仰なのは他のレーベルに任せて、ぱっと思いついたのをいくつか。
- 『サマー/タイム/トラベラー』新城カズマ(ハヤカワ文庫JA)
- 『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス(早川書房)
- 『イルカの島』アーサー・C・クラーク(創元SF文庫)
- 『配達あかずきん』大崎梢(創元推理文庫)←これはオススメされたので必読
例えばクラークは、『幼年期』じゃないところがミソ。もちろんオススメしたい傑作なのだが、朝読の次の一冊とするには、ちと重いから。小中学生向けのラインナップができたら、自信をもって、「このSF・ミステリを読め」とプッシュできるだろう。もちろんこれに、他の出版社を混ぜるのもあり。ただ、せっかく最強のラインナップがあるのに、「好きになってからきてね」という見えない線で区切られている(ように見える)早川書房・東京創元社は、実は、損をしているのではないか。
これを証明するために、リストを作ってみよう。ひょっとすると、わたしが知らないだけで、ジュヴナイル向けアンソロジーがあるのだろうか……探してみよう。でもって、わが子と近所の子相手に「実験」してみよう。はてな人力検索「小中学生向けのSFやミステリのオススメを教えてください」で募集しとりますので、これぞ!というのがあれば、どしどしご教授願います。
3. kindleと『薔薇の名前』
kindleやiPadといった電子書籍。素晴らしいなぁと思う。最新のジャンプや日経新聞が自動でダウンロードするようになるハードから買うだろうなぁと思う。だけど、紙の本はなくなるとか宣う信者には違うよと述べたい。電源を切ると消えるメディアは、出たときにだけ価値がある。あれは、流れてゆくコンテンツであり、フローの読書だから。
マルチメディア(笑)が全盛だった時代を思い出してみよう。マングェル「図書館 愛書家の楽園」によると、1980年代にイギリスで、CD-ROM版シェイクスピア全集が“出版”されたそうな。だが、専用の再生機が壊れたらお仕舞い。一方、千年前に作られたイギリスの土地台帳「ドゥームズデイ・ブック」は、今でもちゃんと読むことができるという。本はモノだから遺すことができるのだ。
昔も今もこれからも、本はモノだ。それは書き手・作り手から読者に渡されるモノであり、読み手から次の読み手に渡されるモノなのだ。ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』とジョン・ダニング『死の蔵書』はいずれも、モノとしての本が生んだ悲劇であり、モノだから次世代に手渡すことができる(すなわち、残る)ことを教えてくれる。
同時に、モノとしての本を誰に引き継ぐのか? という問いが根底に流れる。その価値に気づかない人から、その重要性を欲してやまない人へ渡される。受け取った当初、価値に気づいていなくても、後になって手にすれば良い。これは、モノだからできる。親から子へ、昔の自分から今のわたしへ、「渡す」ことができる。ストックなのだ。
いっぽう、電子媒体では、“出版”もしくは発売されたときに価値を示せないのなら、流れていってしまう。kindleをデジカメで喩える人がいるが、本質を違えている。デジカメで残すものは、プリントアウトしてる。残すためには、モノである必要があるのだ。
これは、電子書籍を支持する側にもヒントになる。すべて電子書籍でまかなおうとするのであれば、コンテンツは必然的にフロー的なものになる。ネット上の新聞と一緒で、レッドオーシャンで泳ぐことになる。だが、電子「本」として売るつもりであるならば、何らかの形でモノにするチャネルを設けておく必要がある。ここでAmazonと同じ土俵には立てない。Amazonは逆ルートだから(モノとしての本→電子書籍)。この勝負に乗るのであれば、バーチャルからリアルのルートが、本として残る必須条件になるだろう。
最後に。スゴ本オフは美味しいですぞ。画像だけだけど、おすそ分け。参加するみなさん、ただの本好きです。エラそうな読書家はおりませぬ。次回はおそらく、「食と色」。facebookやtwitterでそのうち告知しますので、ぜひご参加あれ。
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