スゴ本オフ「親子でドキドキする本」
好きな本をもちよって、まったりアツく語り合うスゴ本オフ。今回は趣向を変えて、子どもと一緒に楽しむ会、「親子でドキドキする本」をテーマに、オススメしたり語ったり、上手な語りに聞き入ったりする午後でしたな。
いつもの KDDI Web Communications さんも飾り付けられてたりする。
実をいうと、テーマを一度、変えている。最初は、夏だからホラー系かなと聞いてみたら拒絶反応。ダメな理由は「どれくらい怖いか、分からない」とのこと。確かにそうだ。何が怖いかは人によるが、どこまでなら怖さを楽しめるかは、経験によるから。なので、怖いよりも「ドキドキする本」になったのだ。
「ドキドキする本」なら、怖いだけでなく、「楽しい」も「知りたい」も入ってくる。魅力的なキャラクターにドキっとしたり、思いもよらない意外な展開にハラハラしてもOK。嬉しくってワクワクしてもありなのだ。
人ン家の読書事情がうかがい知れて面白い。定番の福音館もあれば、知育的なのもある。親が読むと子も読むんだなーと思い知らされる。わたしの子? もちろんコミックですぞ(なにより親がマンガ好き)。
娘が紹介したのは、「ショコラの魔法」というゴスロリ魔法少女の話。「笑ゥせぇるすまん」もしくは「地獄少女」的なストーリーなんだが、少女マンガにしては陰惨なり。何でも望むものと引き換えに、自分の何かを渡さなければならないという設定が、とてつもなくアレを思い出させるのだが、こっちが老舗。「美声を手に入れた代償として顔を潰された」少女の話とか、かなり嫌話。後で知ったんだが、「ちゃおホラーコミックス」というシリーズがちゃんと確立されているんやね。
わたしが紹介したのはエドワード・ゴーリー「ウエスト・ウィング」。怖い絵本としては最ドキドキに入るが、ハマれるかどうかは人を選ぶ。全編いっさい文字が無く、どこかの屋敷が淡々延々と描かれる。「ウエスト・ウィング」とは何か、何が出てくるのか、何を伝えたいのか、全く分からない。でも「何かがいる…!」という嫌~な感覚は読み手の背筋に忍び込む。想像力を掻き立てられる読書。
- 「大千世界のなかまたち」スズキ コージ
- 「ショコラの魔法」みづほ梨乃
- 「ウエスト・ウィング」エドワード・ゴーリー
- 「人狼村からの脱出」SCRAP
- 「いわいさんちのリベットくん」岩井俊雄
- 「まんぷくでぇす」長谷川義史
- 「ドラゴンスレイヤーアカデミー」ケイト・マクミュラン
- 「恐竜のくれた夏休み」はやみねかおる
- 「キツネたちの宮へ」富安陽子
- 「おしいれのぼうけん」古田足日
- 「とっとこ とっとこ」まついのりこ
- 「うみのべっそう」 竹下文子
- 「ソーダ村の村長さん」
- 「魔女がいっぱい」ロアルト・ダール
- 「光車よ、まわれ!」天沢退二郎
- 「どろぼうがっこう」かこさとし
- 「数の悪魔」ハンス・マグヌス
- 「電人M」江戸川乱歩
- 「おつきさまこんばんは」林明子
そしてお楽しみ朗読会。「ちっちゃい ちっちゃい」は年齢に拠らずドキドキさせられる。「かいじゅうたち」をあえて外したセンダック「まどのそとの そのまたむこう」は面白かった(これは読むより聴く話)。どこかで聞いたことのある「エパミナンダス」の会話調も聞いて楽しい。そしてこれか!と思わず膝を打ったのは「くわずにょうぼう」。怖いから少しズらした作品なり。
twitter実況は親子でドキワク! スゴ本オフ「ドキドキお話会」まとめをどうぞ。やすゆきさんの『スゴ本オフ ホラー本の会』は昼間のお話の会からナイスな盛り上がりだった件だと会場の雰囲気がよく分かりますぞ。
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コメント
怖いのが大の苦手な私は「読まないリスト」に
追加しておきます((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
ところで紀伊國屋書店新宿本店でこんなフェアを
やっているそうです
http://matome.naver.jp/odai/2134423642552309101
ご存知とは思いますが念のため
投稿: ラッキーマン。 | 2012.08.08 22:20
>>ラッキーマン。さん
ありがとうございます。ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんが一枚噛んでそうな企画ですね。まだ行ってないのですが、覗いてみるつもりです。
投稿: Dain | 2012.08.08 22:29