タコピーの原罪 - 2022.03.29 Tue
ジャンプ+に短期連載されていた『タコピーの原罪』(タイザン5作)が
去る3月25日に最終回を迎えた。
SNSで相当な話題を呼んだらしい。
かく言う私も毎週、泣きながら読んでいた(笑)
☆★☆★☆★☆★☆★ネタバレあり★☆★☆★☆★☆★☆
作者言うところの「陰湿なドラえもん」。
土管が積まれた空き地から物語が始まったこと
タコピーが出逢った地球人の女の子の名前が「しずかちゃん」であること等が
既にそれを示唆している。
でも、ドラえもんの頃は、現代に比べればまだ平和でのんびりした世界。
2016年の『タコピー』の世界はもっと殺伐としている。
読者である私達が生きている世界、それも6年前だから
私達がしっかり生きてきた世界。
どっぷりと浸かって、慣れ親しんで、当たり前に受け止めている世界が
実はドロドロとした深い闇に覆われていることを突き付けられる。
タコピーはハッピー星からハッピーを広めるためにやって来た宇宙人。
ドラえもんよりも無邪気というか、(言ってしまえば)無垢で愚かなタコピーは
言葉の向こうにある人の気持ちが読めない。
しずかちゃんがあまり笑わない…ということだけは分かるけど
その理由を察することができない。
読者である私達には、しすかちゃんの顔の曇りが見える。
顔だけでなく、着ているTシャツがヨレヨレで薄汚れていることや
ランドセルやノート等もボロボロで悪口が書きなぐられているのも目に入る。
家に帰れば、部屋の中は乱雑。
お父さんは今はいない…お母さんは今日は「同伴」…という言葉。
彼女が置かれている状況が察せられる。
こうした違いが説明なしで絵だけで示される作りが面白いし上手いと思う。
タコピーが出す道具はどれも、ドラえもんの道具の様に喜ばれはしない。
本来の使い方をされず、寧ろ不幸を呼ぶきっかけになってしまう。
第1話にして最悪の事態になり…
ビビリひじゅには読むのをやめようかと思ってしまったよ。
やめなかったけどね(笑)
ジャンプ+はちょくちょくチェックする大好きなアプリだけど
全ての作品を読んでいるわけではないし、中断したものも少なくない。
ツマラナイから、乗らないから…という理由が多いけど
内容が暗くて辛いから読まない選択をしたものものある。
『タコピー』は暗くて辛いんだけど、何故か惹きつけられた。
タコピーはイライラするほどバカなんだけど
“悪”に対して全くの無知であること、それだけに純粋であることが
伝わってくるから、そこが愛しい。
「お前は能天気で馬鹿でごみだけど優しい」
東くんの言葉そのものなんだな。
絵や空気で語る作品なので、東くんは丁度良い感じの解説役でもあったな。
上記の台詞を言う第14話では
「もしも次の僕に会うことがあったら言ってやってくれよ
兄貴とケンカでもしてみろって」
と言って、自分にとっての救いの道に気付いていることを示唆してる。
「助けてあげようなんて思うのが違ったんだ」
とも言って、タコピーに気付きを与えている。
最終話でタコピーがやっと辿り着いた
「おはなしがハッピーをうむんだっピ」
という結論に繋がっている。
2016年と2022年の、しずかちゃんとまりなちゃんを見て
「なんで悪い子なのに、なんで良い子なのか」と混乱するタコピーに
「そりゃいいとこも悪いとこもあるだろ」と東くんは答える。
本当にその通りの物語だったと思う。
この第14話と
しずかちゃんが初めて心情を吐露する第15話が秀逸だと思う。
最終話は「拍子抜け」という感想を持つ人もいるみたいだけど
ひじゅに的には非常に上手く収束させたな、と思えた。
聖書を当てはめて考察する人が多かったらしいけど
少なくとも、最後のタコピーの決断はイエス・キリストになぞらえられると思う。
ドクダミの花言葉は「自己犠牲」というのも、しっかり当て嵌まっていたな。
つーか、やはり、あれは伏線だったのかもな。
過去に戻ったのに、記憶はうっすら残っている…という設定も
ひじゅに的には納得できたし、そこが救いに繋がるところに感動した。
もっとも、そうでなければ、タコピーの存在が無駄だった…という結論になって
あんまりな終わり方になっちゃうからな(笑)
タイムパラドックスを扱った物語って
パラレルワールドが無限に作られてしまうものと
ひとつの世界で上書きされていくものとあるけど
個人的には後者の方が納得できる。
『タコピー』は明らかに後者なので、すんなり受け入れることができたし
加えて、消されたはずの記憶が微かに残っているところは
タコピーの「ハッピー力」によるものだと素直に感動できる。
世界は何も変わらない。
しずかちゃんの家族も、まりなちゃんの家族も壊れたまま。
東くんの家族も、親に関してはきっと相変わらずなまま。
でも、しずかちゃんとまりなちゃん、東くんとお兄さんは
「おはなし」で心通じ合えた。
東くんは、しずかちゃんの中に母親を見て歪んだ“依存”に陥るのでなく
普通の友達ができた。
細やかな様でいて、とてつもなく大きな変化。
この結末は素晴らしいと思う。
タコピーの微かな記憶に共に涙を流した後
しずかちゃんとまりなちゃんが夜道を歩くシーン。
少しばかり距離はあいているけれど、並んで歩いていて
互いの手が、触れ合うまでは行ってないけど互いに向けて伸ばしている。
タコピーが最初に訪れた2022年の世界で、まりなちゃんが
東くんの方に手を伸ばしたシーンを彷彿とさせる。
こういう演出が上手いと思う。
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆
キーホルダー
上巻
下巻
去る3月25日に最終回を迎えた。
SNSで相当な話題を呼んだらしい。
かく言う私も毎週、泣きながら読んでいた(笑)
☆★☆★☆★☆★☆★ネタバレあり★☆★☆★☆★☆★☆
作者言うところの「陰湿なドラえもん」。
土管が積まれた空き地から物語が始まったこと
タコピーが出逢った地球人の女の子の名前が「しずかちゃん」であること等が
既にそれを示唆している。
でも、ドラえもんの頃は、現代に比べればまだ平和でのんびりした世界。
2016年の『タコピー』の世界はもっと殺伐としている。
読者である私達が生きている世界、それも6年前だから
私達がしっかり生きてきた世界。
どっぷりと浸かって、慣れ親しんで、当たり前に受け止めている世界が
実はドロドロとした深い闇に覆われていることを突き付けられる。
タコピーはハッピー星からハッピーを広めるためにやって来た宇宙人。
ドラえもんよりも無邪気というか、(言ってしまえば)無垢で愚かなタコピーは
言葉の向こうにある人の気持ちが読めない。
しずかちゃんがあまり笑わない…ということだけは分かるけど
その理由を察することができない。
読者である私達には、しすかちゃんの顔の曇りが見える。
顔だけでなく、着ているTシャツがヨレヨレで薄汚れていることや
ランドセルやノート等もボロボロで悪口が書きなぐられているのも目に入る。
家に帰れば、部屋の中は乱雑。
お父さんは今はいない…お母さんは今日は「同伴」…という言葉。
彼女が置かれている状況が察せられる。
こうした違いが説明なしで絵だけで示される作りが面白いし上手いと思う。
タコピーが出す道具はどれも、ドラえもんの道具の様に喜ばれはしない。
本来の使い方をされず、寧ろ不幸を呼ぶきっかけになってしまう。
第1話にして最悪の事態になり…
ビビリひじゅには読むのをやめようかと思ってしまったよ。
やめなかったけどね(笑)
ジャンプ+はちょくちょくチェックする大好きなアプリだけど
全ての作品を読んでいるわけではないし、中断したものも少なくない。
ツマラナイから、乗らないから…という理由が多いけど
内容が暗くて辛いから読まない選択をしたものものある。
『タコピー』は暗くて辛いんだけど、何故か惹きつけられた。
タコピーはイライラするほどバカなんだけど
“悪”に対して全くの無知であること、それだけに純粋であることが
伝わってくるから、そこが愛しい。
「お前は能天気で馬鹿でごみだけど優しい」
東くんの言葉そのものなんだな。
絵や空気で語る作品なので、東くんは丁度良い感じの解説役でもあったな。
上記の台詞を言う第14話では
「もしも次の僕に会うことがあったら言ってやってくれよ
兄貴とケンカでもしてみろって」
と言って、自分にとっての救いの道に気付いていることを示唆してる。
「助けてあげようなんて思うのが違ったんだ」
とも言って、タコピーに気付きを与えている。
最終話でタコピーがやっと辿り着いた
「おはなしがハッピーをうむんだっピ」
という結論に繋がっている。
2016年と2022年の、しずかちゃんとまりなちゃんを見て
「なんで悪い子なのに、なんで良い子なのか」と混乱するタコピーに
「そりゃいいとこも悪いとこもあるだろ」と東くんは答える。
本当にその通りの物語だったと思う。
この第14話と
しずかちゃんが初めて心情を吐露する第15話が秀逸だと思う。
最終話は「拍子抜け」という感想を持つ人もいるみたいだけど
ひじゅに的には非常に上手く収束させたな、と思えた。
聖書を当てはめて考察する人が多かったらしいけど
少なくとも、最後のタコピーの決断はイエス・キリストになぞらえられると思う。
ドクダミの花言葉は「自己犠牲」というのも、しっかり当て嵌まっていたな。
つーか、やはり、あれは伏線だったのかもな。
過去に戻ったのに、記憶はうっすら残っている…という設定も
ひじゅに的には納得できたし、そこが救いに繋がるところに感動した。
もっとも、そうでなければ、タコピーの存在が無駄だった…という結論になって
あんまりな終わり方になっちゃうからな(笑)
タイムパラドックスを扱った物語って
パラレルワールドが無限に作られてしまうものと
ひとつの世界で上書きされていくものとあるけど
個人的には後者の方が納得できる。
『タコピー』は明らかに後者なので、すんなり受け入れることができたし
加えて、消されたはずの記憶が微かに残っているところは
タコピーの「ハッピー力」によるものだと素直に感動できる。
世界は何も変わらない。
しずかちゃんの家族も、まりなちゃんの家族も壊れたまま。
東くんの家族も、親に関してはきっと相変わらずなまま。
でも、しずかちゃんとまりなちゃん、東くんとお兄さんは
「おはなし」で心通じ合えた。
東くんは、しずかちゃんの中に母親を見て歪んだ“依存”に陥るのでなく
普通の友達ができた。
細やかな様でいて、とてつもなく大きな変化。
この結末は素晴らしいと思う。
タコピーの微かな記憶に共に涙を流した後
しずかちゃんとまりなちゃんが夜道を歩くシーン。
少しばかり距離はあいているけれど、並んで歩いていて
互いの手が、触れ合うまでは行ってないけど互いに向けて伸ばしている。
タコピーが最初に訪れた2022年の世界で、まりなちゃんが
東くんの方に手を伸ばしたシーンを彷彿とさせる。
こういう演出が上手いと思う。
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆
キーホルダー
上巻
下巻
雑談>ONE PIECE - 2020.10.01 Thu
去る5月
某ウィルス(名前を言うのも嫌^^;)のおかげで
ロックダウン(日本の場合、厳密には違うのだろうけど)の最中にあった頃
ジャンプ+(アプリ)で無料祭がありまして
ひじゅには『ONE PIECE』(尾田栄一郎著)にハマっていました。
勿論、他作品も色々読んでたんだけど
何しろ『ONE PIECE』は61巻分無料開放だったから
もう、どっぷり!でしたわ(笑)
今更?って言われそうだけど(笑)
マジで最近まで未読でした>アニメも未見
多分…あの絵柄にちょっと躊躇していたのだという気が…>スマソ
でも、慣れてしまうと、とても良い絵だと思う様になりました。
あの絵だからこそ良い!と。
初めて読んだのは、やはりジャンプ+で
数年前くらいになるかなあ…
その時は5巻まで無料開放だったので、そこまでしか読んでないんですけど
「おお、さすが大人気作だけある、面白い!」
と思いました。
まあ、同じ感想は
『BLEACH』『NARUTO』等にも抱いたんですけど。
当時は、どちらかというと『BLEACH』が一番好きだった記憶。
でも、今回、『BLEACH』も後回しにして『ONE PIECE』を読みふけっていました。
笑えるし泣けるし萌えるし…最高じゃん!
って感じ(笑)
で、思ったんですけど―
背景は描き込んであるけど、主要人物は割とシンプルな絵柄。
かなりデフォルメ。
でも、人物によっては、かなりリアルな造形。
コマ割りは大胆で、かなり変形したコマも。
想像力溢れる世界。
基本、笑える作り。
感動的な展開。
脇役までもしっかり作り上げられていて、色んな視点で物語が進む。
作者の視線は俯瞰的。
これって、手塚治虫っぽくない?
↑これだけ言いたかった(笑)
何故、今頃になってこんなことを書くかというと
ジャンプ+で909話(90巻)~955話(95巻)まで無料公開中!
だからですわ。
10月11日までなので、急げ!
…え?
もうとっくに読み終わってる?
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆
ルフィ&シャンクス
90巻
全巻セット
某ウィルス(名前を言うのも嫌^^;)のおかげで
ロックダウン(日本の場合、厳密には違うのだろうけど)の最中にあった頃
ジャンプ+(アプリ)で無料祭がありまして
ひじゅには『ONE PIECE』(尾田栄一郎著)にハマっていました。
勿論、他作品も色々読んでたんだけど
何しろ『ONE PIECE』は61巻分無料開放だったから
もう、どっぷり!でしたわ(笑)
今更?って言われそうだけど(笑)
マジで最近まで未読でした>アニメも未見
多分…あの絵柄にちょっと躊躇していたのだという気が…>スマソ
でも、慣れてしまうと、とても良い絵だと思う様になりました。
あの絵だからこそ良い!と。
初めて読んだのは、やはりジャンプ+で
数年前くらいになるかなあ…
その時は5巻まで無料開放だったので、そこまでしか読んでないんですけど
「おお、さすが大人気作だけある、面白い!」
と思いました。
まあ、同じ感想は
『BLEACH』『NARUTO』等にも抱いたんですけど。
当時は、どちらかというと『BLEACH』が一番好きだった記憶。
でも、今回、『BLEACH』も後回しにして『ONE PIECE』を読みふけっていました。
笑えるし泣けるし萌えるし…最高じゃん!
って感じ(笑)
で、思ったんですけど―
背景は描き込んであるけど、主要人物は割とシンプルな絵柄。
かなりデフォルメ。
でも、人物によっては、かなりリアルな造形。
コマ割りは大胆で、かなり変形したコマも。
想像力溢れる世界。
基本、笑える作り。
感動的な展開。
脇役までもしっかり作り上げられていて、色んな視点で物語が進む。
作者の視線は俯瞰的。
これって、手塚治虫っぽくない?
↑これだけ言いたかった(笑)
何故、今頃になってこんなことを書くかというと
ジャンプ+で909話(90巻)~955話(95巻)まで無料公開中!
だからですわ。
10月11日までなので、急げ!
…え?
もうとっくに読み終わってる?
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ルフィ&シャンクス
90巻
全巻セット
雑談>Jack&Liar - 2020.09.09 Wed
ヤバイです!
毎度お馴染みジャンプ+で
第4回 アナログ部門賞入選作
『Jack&Liar』(南野夏雄)を読んだんですの。
ラストで泣いてしまいましたぜ。
猫が出ているから…かもしれないけどさ(笑)
でも、泣けちまったよ。
読み終わってからも胸が痛いのは久しぶりだよ。
いや、一応あれはハッピーエンドと言って良いのかもしれないけどね。
だって、主人公は、ほんのひとときの安らぎの中で
「今日、死んでもいいな」と呟いていたのだからさ。
ある意味、あれは最高のThe Endだったと思う。
新人の読み切り作品はよく掲載されるし
面白いと思うものも、ナンダカナ…と思うものも色々あるけど
心に残るものはそうそうない。
で、この『Jack&Liar』は数少ないうちの一つとなった。
ちょっとカートゥーンっぽい絵柄も良い。
全体の雰囲気や台詞は洋画の匂い。
まあ、まだ粗削りって感じだし
アクションシーンは工夫を凝らしてはいるけど
スピード感や迫力はイマイチだと思う。
でも、好感度の方が高かったな。
そう遠くない先
有名マンガ家の1人になってくれるかも?
ちょびっと藤本タツキを思わせる部分もある。
藤本タツキも初めて読んだ時
この人の作品はちょっと違う!って思ったのだった。
頑張れ、南野夏雄さん!
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆
ファイアパンチ(藤本タツキ)
カートゥーンの天才コンビ
ねんどろいど脳噛ネウロ>ジャンプ+で知って初めて単行本を買った作品
毎度お馴染みジャンプ+で
第4回 アナログ部門賞入選作
『Jack&Liar』(南野夏雄)を読んだんですの。
ラストで泣いてしまいましたぜ。
猫が出ているから…かもしれないけどさ(笑)
でも、泣けちまったよ。
読み終わってからも胸が痛いのは久しぶりだよ。
いや、一応あれはハッピーエンドと言って良いのかもしれないけどね。
だって、主人公は、ほんのひとときの安らぎの中で
「今日、死んでもいいな」と呟いていたのだからさ。
ある意味、あれは最高のThe Endだったと思う。
新人の読み切り作品はよく掲載されるし
面白いと思うものも、ナンダカナ…と思うものも色々あるけど
心に残るものはそうそうない。
で、この『Jack&Liar』は数少ないうちの一つとなった。
ちょっとカートゥーンっぽい絵柄も良い。
全体の雰囲気や台詞は洋画の匂い。
まあ、まだ粗削りって感じだし
アクションシーンは工夫を凝らしてはいるけど
スピード感や迫力はイマイチだと思う。
でも、好感度の方が高かったな。
そう遠くない先
有名マンガ家の1人になってくれるかも?
ちょびっと藤本タツキを思わせる部分もある。
藤本タツキも初めて読んだ時
この人の作品はちょっと違う!って思ったのだった。
頑張れ、南野夏雄さん!
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆
ファイアパンチ(藤本タツキ)
カートゥーンの天才コンビ
ねんどろいど脳噛ネウロ>ジャンプ+で知って初めて単行本を買った作品
『魔人探偵脳嚙ネウロ』 - 2019.11.17 Sun
主人公@脳嚙ネウロは文字通り魔界に住む魔人。
謎(を解いた時に発生する特殊なエネルギー)を栄養源とするが
魔界の謎を食い尽くしてしまったため、人間界に到来。
父親を殺害された女子高生@桂木弥子と出逢い、父親の事件を解明した後
彼女を隠れ蓑に、数々の謎に挑んで行く―
☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★
日常の中に“異物”が入り込むことによって発生する物語…という意味では
『ドラえもん』等と同じパターン。
でも、要素要素はパターン崩し。
人間の姿を装っているが、実は鳥に似た奇怪な素顔のネウロを始め
魔界の住人は皆、不気味な姿をしている…というのは定番。
ところが、ネウロに謎を解かれた犯人達が曝け出す内面は
魔人以上に醜悪な形をしている。
この逆転が面白い。
そもそも、魔人の方が人間より身体能力は圧倒的に優れているのに
魔界で生じる謎は単純で
魔人よりも遥かに卑小な存在であるはずの人間の謎は
高度で味もカロリーも高い
…という設定なんだもの。
人間の方が中身は複雑怪奇だということだよね。
人間にとっての酸素に相当する瘴気が地上では不足しているため
ネウロの体力は段々弱くなっていく。
つまり、人間に近付いていく。
この設定だけでも斬新と言えると思うけど、それだけでなく
人間の犯罪者達が、もはや内面だけでなく身体的にもパワーアップしていく。
つまり人間離れしていく。
ハッキリ言って魔人化していく。
この逆転も面白い。
“相棒”弥子のキャラも良い。
最初は普通の女子高生に見えたけど
実は物凄い大食い…ってことで笑わせてくれるし
食に貪欲という面で、謎に貪欲なネウロと被る。
ネウロからのどSな扱いにも耐えるタフな女の子で
文句は言いながらもネウロの調子を気遣う母親的な面も持ち
ネウロの苦手分野(人間の心に関する部分)を引き受ける
勇気、洞察力、繊細で冷静な分析力等の持ち主でもある。
ネウロとは魔人と人間の違いなだけで、表裏一体と言っても良いのかも?
2人の誕生日が同じ(年は違う)3月10日という設定が裏付けになっているかも?
*ネウロ誕生日は公式(?)には16月344日
グレゴリオ暦に換算すると3月10日らしい
ちなみに、ひじゅにも3月10日生まれなんですぜ。
名前に「や」も付きますぜ>だから何?
弥子を筆頭として、吾代や笛吹といった登場人物達が
成長し強くなっていくのも面白さの一つ。
それに伴い、人間を食料源としか見なしていなかったネウロが
少しずつ人間に興味を持ち始め
弥子のことも自分の都合云々でなく守る様になり
やがて、自分が人間達から守られてもいることを自覚する。
この逆転も面白い。
ネウロ&弥子についてはXとIの関係ともリンクしている。
X1(イレブン)がIを思い出したことによって
Xに戻っただけでなく、内面的には人間らしさをも取り戻した
というところに。
自分の真の姿を探し求めていたXが
無自覚のままX1の姿に変わろうとしたことがあったのが
Iの言葉で中断され、Iの好みの姿に留まったこと
最終的に、自分真の姿としてXの方を選んだこと
…というところも象徴的。
だから最後は、そんなネウロが
弱り果てながらも必死に敵と戦い
本人は無意識ながらも自己犠牲の精神を発揮する。
敵は、人間なのに人間離れした能力を持ち
仲間や自分のクローンを犠牲にし
「新しい血族」と名乗るものの実質的には究極の魔人化した
(と断定して構わないと思う)相手で
それを心身共に人間に近づいた状態のネウロが倒す
…この逆転が最高に面白い。
「面白い」「面白い」と書いたけど
面白いのは、こうした概要(?)だけでなく
それぞれのエピや、それぞれの登場人物が、それぞれ面白い。
「クシカツ」には笑ったし
「HAL」には泣かされたし…
★☆★☆★☆★☆★☆
作:松井優征
2005~2009年『週刊少年ジャンプ』に連載
全202話(コミックス全23巻)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆
電子書籍>カラー版
全巻セット>中古
ねんどろいど 桂木弥子>中古
謎(を解いた時に発生する特殊なエネルギー)を栄養源とするが
魔界の謎を食い尽くしてしまったため、人間界に到来。
父親を殺害された女子高生@桂木弥子と出逢い、父親の事件を解明した後
彼女を隠れ蓑に、数々の謎に挑んで行く―
☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★
日常の中に“異物”が入り込むことによって発生する物語…という意味では
『ドラえもん』等と同じパターン。
でも、要素要素はパターン崩し。
人間の姿を装っているが、実は鳥に似た奇怪な素顔のネウロを始め
魔界の住人は皆、不気味な姿をしている…というのは定番。
ところが、ネウロに謎を解かれた犯人達が曝け出す内面は
魔人以上に醜悪な形をしている。
この逆転が面白い。
そもそも、魔人の方が人間より身体能力は圧倒的に優れているのに
魔界で生じる謎は単純で
魔人よりも遥かに卑小な存在であるはずの人間の謎は
高度で味もカロリーも高い
…という設定なんだもの。
人間の方が中身は複雑怪奇だということだよね。
人間にとっての酸素に相当する瘴気が地上では不足しているため
ネウロの体力は段々弱くなっていく。
つまり、人間に近付いていく。
この設定だけでも斬新と言えると思うけど、それだけでなく
人間の犯罪者達が、もはや内面だけでなく身体的にもパワーアップしていく。
つまり人間離れしていく。
ハッキリ言って魔人化していく。
この逆転も面白い。
“相棒”弥子のキャラも良い。
最初は普通の女子高生に見えたけど
実は物凄い大食い…ってことで笑わせてくれるし
食に貪欲という面で、謎に貪欲なネウロと被る。
ネウロからのどSな扱いにも耐えるタフな女の子で
文句は言いながらもネウロの調子を気遣う母親的な面も持ち
ネウロの苦手分野(人間の心に関する部分)を引き受ける
勇気、洞察力、繊細で冷静な分析力等の持ち主でもある。
ネウロとは魔人と人間の違いなだけで、表裏一体と言っても良いのかも?
2人の誕生日が同じ(年は違う)3月10日という設定が裏付けになっているかも?
*ネウロ誕生日は公式(?)には16月344日
グレゴリオ暦に換算すると3月10日らしい
ちなみに、ひじゅにも3月10日生まれなんですぜ。
名前に「や」も付きますぜ>だから何?
弥子を筆頭として、吾代や笛吹といった登場人物達が
成長し強くなっていくのも面白さの一つ。
それに伴い、人間を食料源としか見なしていなかったネウロが
少しずつ人間に興味を持ち始め
弥子のことも自分の都合云々でなく守る様になり
やがて、自分が人間達から守られてもいることを自覚する。
この逆転も面白い。
ネウロ&弥子についてはXとIの関係ともリンクしている。
X1(イレブン)がIを思い出したことによって
Xに戻っただけでなく、内面的には人間らしさをも取り戻した
というところに。
自分の真の姿を探し求めていたXが
無自覚のままX1の姿に変わろうとしたことがあったのが
Iの言葉で中断され、Iの好みの姿に留まったこと
最終的に、自分真の姿としてXの方を選んだこと
…というところも象徴的。
だから最後は、そんなネウロが
弱り果てながらも必死に敵と戦い
本人は無意識ながらも自己犠牲の精神を発揮する。
敵は、人間なのに人間離れした能力を持ち
仲間や自分のクローンを犠牲にし
「新しい血族」と名乗るものの実質的には究極の魔人化した
(と断定して構わないと思う)相手で
それを心身共に人間に近づいた状態のネウロが倒す
…この逆転が最高に面白い。
「面白い」「面白い」と書いたけど
面白いのは、こうした概要(?)だけでなく
それぞれのエピや、それぞれの登場人物が、それぞれ面白い。
「クシカツ」には笑ったし
「HAL」には泣かされたし…
★☆★☆★☆★☆★☆
作:松井優征
2005~2009年『週刊少年ジャンプ』に連載
全202話(コミックス全23巻)
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全巻セット>中古
ねんどろいど 桂木弥子>中古
『ブラック・ジャック大解剖』を読んで - 2012.12.31 Mon
手塚治虫『ブラック・ジャック』のムック。
11月に発売されたものなので今更なんですが
ちょこっとだけ感想を書いてみます。
手塚ファンだと言いながら最新情報は全く仕入れていないので
このムックのことも全く知らなかった私…
本屋さんにも、しょっちゅうは行かないし
映画をレンタルするのも最近は本屋を併設していない店が主流だし
なのにこの時は偶然、発売直後に本屋さんに行ったんです。
しかもTU○AYAに!
何故それが重要かというと
ネットで検索してみて知ったんですけど
付録(小冊子)が付いているのと付いていないのと二種あって
私の地元で付録付きを売っているのはTU○AYAだけなんです。
その付録は『ミッドナイト』の最終回を
原画の雰囲気そのままに小冊子にしたものです。
ミッドナイトと呼ばれるタクシー運転手をしている若者の物語で
ブラック・ジャックも何度かゲスト出演しています。
最終回では主役状態になっています。
内容が衝撃的過ぎるとのことで単行本化されず
幻の最終回と呼ばれているものです。
前に一度読んだことはあるんですけどね
また読めて嬉しい(^^)
手塚作品って、こーいうことよくありますよね。
作者自身も、単行本化のたびに手を加えるので
元の作品とはだいぶ変わってしまっているものが少なくないです。
個人的に、直に目にしてビックリしたのが『奇子』。
最終回が載せられた雑誌を古本屋さんで見つけて読んだ後で
単行本を読んだんですが「180度変わってるじゃん!?」って感じで(笑)
『ブラック・ジャック』は手塚作品の中でも1~2位を争う好きな作品で
ムックに書かれていることは知っていることばかりだけど
纏められてるのが嬉しくて
未公開原画集も嬉しくて
手塚治虫の写真付きの記事があるのがまた嬉しくて
申し分ない!と言いたいところなんですけど…
スミマセン、一つだけツッコミを入れさせて下さい。
キャラクター紹介ページで
主要キャラや
他作品にも出ている(いわゆるスターシステムの)キャラ達の後に
「ブラック・ジャック オリジナルキャラクター」のコーナーがあるんですが
私が分かるだけでも
「これって鬼丸大将じゃないの?」
「これは和登さんだと思うんだけど?」
「この2人は『空気の底』の2人じゃん!」
「これはトリトンだよ!髪型が違うのはアニメ版の髪型にしてるからじゃん!」
…etc.他にも沢山あるんですけど…
それから、これはツッコミじゃないけど
色んなマンガ家達によるリメイクも沢山出てるんですね。
知りませんでした(^^;)
でも…
たまたま目にする機会があったら目にしてみようと思うけど
ワザワザ手に取ってみる気にはならないな。
スミマセンスミマセン。
話はズレるけど
あの大林宣彦監督による実写版『ブラックジャック』@『瞳の中の訪問者』では
宍戸錠がブラック・ジャックを演じているので
「先生の宍戸錠!」(byピノコ)
という台詞がマンガの中に入っているのは有名だけど>まあ私は映画は未見だけど
TVドラマでは何と加山雄三主演のもあるのだ。
これまた未見だけど>ダメじゃん
写真で見る限りでは、ビジュアル的には宍戸錠と良い勝負なんだけど
(つまり、オッサン過ぎるしイメージに合わないし傷跡や白髪等がワザトラシイ)
普段は傷も白髪もない姿で別の職業に就いている設定らしいし>何ちゃそれ?
コートはマントだし…ナンダカナ度はずっと上みたい(^^;)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆
☆映画&ドラマ感想は「REVIEWの部屋」に纏めてあります☆
やっくんち
↓最近('11年)の実写版>岡田将生主演
↓全巻セット
11月に発売されたものなので今更なんですが
ちょこっとだけ感想を書いてみます。
手塚ファンだと言いながら最新情報は全く仕入れていないので
このムックのことも全く知らなかった私…
本屋さんにも、しょっちゅうは行かないし
映画をレンタルするのも最近は本屋を併設していない店が主流だし
なのにこの時は偶然、発売直後に本屋さんに行ったんです。
しかもTU○AYAに!
何故それが重要かというと
ネットで検索してみて知ったんですけど
付録(小冊子)が付いているのと付いていないのと二種あって
私の地元で付録付きを売っているのはTU○AYAだけなんです。
その付録は『ミッドナイト』の最終回を
原画の雰囲気そのままに小冊子にしたものです。
ミッドナイトと呼ばれるタクシー運転手をしている若者の物語で
ブラック・ジャックも何度かゲスト出演しています。
最終回では主役状態になっています。
内容が衝撃的過ぎるとのことで単行本化されず
幻の最終回と呼ばれているものです。
前に一度読んだことはあるんですけどね
また読めて嬉しい(^^)
手塚作品って、こーいうことよくありますよね。
作者自身も、単行本化のたびに手を加えるので
元の作品とはだいぶ変わってしまっているものが少なくないです。
個人的に、直に目にしてビックリしたのが『奇子』。
最終回が載せられた雑誌を古本屋さんで見つけて読んだ後で
単行本を読んだんですが「180度変わってるじゃん!?」って感じで(笑)
『ブラック・ジャック』は手塚作品の中でも1~2位を争う好きな作品で
ムックに書かれていることは知っていることばかりだけど
纏められてるのが嬉しくて
未公開原画集も嬉しくて
手塚治虫の写真付きの記事があるのがまた嬉しくて
申し分ない!と言いたいところなんですけど…
スミマセン、一つだけツッコミを入れさせて下さい。
キャラクター紹介ページで
主要キャラや
他作品にも出ている(いわゆるスターシステムの)キャラ達の後に
「ブラック・ジャック オリジナルキャラクター」のコーナーがあるんですが
私が分かるだけでも
「これって鬼丸大将じゃないの?」
「これは和登さんだと思うんだけど?」
「この2人は『空気の底』の2人じゃん!」
「これはトリトンだよ!髪型が違うのはアニメ版の髪型にしてるからじゃん!」
…etc.他にも沢山あるんですけど…
それから、これはツッコミじゃないけど
色んなマンガ家達によるリメイクも沢山出てるんですね。
知りませんでした(^^;)
でも…
たまたま目にする機会があったら目にしてみようと思うけど
ワザワザ手に取ってみる気にはならないな。
スミマセンスミマセン。
話はズレるけど
あの大林宣彦監督による実写版『ブラックジャック』@『瞳の中の訪問者』では
宍戸錠がブラック・ジャックを演じているので
「先生の宍戸錠!」(byピノコ)
という台詞がマンガの中に入っているのは有名だけど>まあ私は映画は未見だけど
TVドラマでは何と加山雄三主演のもあるのだ。
これまた未見だけど>ダメじゃん
写真で見る限りでは、ビジュアル的には宍戸錠と良い勝負なんだけど
(つまり、オッサン過ぎるしイメージに合わないし傷跡や白髪等がワザトラシイ)
普段は傷も白髪もない姿で別の職業に就いている設定らしいし>何ちゃそれ?
コートはマントだし…ナンダカナ度はずっと上みたい(^^;)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆
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