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がん発症、中国が突出 肺がんは世界の36%

12年WHO調査 肝臓・食道は5割

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【大連=森安健】がん患者が世界的に増え続ける中、喫煙率が高く、大気汚染も悪化する中国で新規患者と死者の数が特に多いことが分かった。世界保健機関(WHO)がまとめた最新の「世界がん報告」によると、全体の死者数が最多の肺がんでは、2012年の新規患者の36%が中国人。肝臓がん、食道がんでは5割だった。世界人口に占める中国の比率(19%)を大きく上回る。

報告書はWHO傘下の国際がん研究機関(IARC)がまとめたもので、03年、08年に続き3回目。中国は「肺、胃、肝臓、食道」の4つのがんの発症数、死者数が世界一だった。過去の報告では地域別の患者比率を明らかにしていなかった。

世界に対する人口比率が1.8%の日本は肺がん発症数が世界の5.2%、肝臓がんは4.6%だが、胃がんは11.3%を占める。

12年に肺がんになった人は世界で182万人。このうち65万人が中国人だった。25年には中国の発症数は年100万人に迫ると試算する。中国では成人男性の喫煙率が53%に達し、喫煙者数は3億5千万人という世界最大のたばこ消費国。報告書によると、日常的に副流煙にさらされている国民の割合は70%を超えている。

報告書は中国での自動車や工場からの大気汚染にも着目。IARCのルーミス副部長(がん原因分析担当)は「中国の大気汚染は20世紀末から劇的に悪化し、少し遅れて肺がんも上昇し始めた。喫煙と並び主因の一つとみられる」と話す。政府系誌「中国新聞週刊」によると広東省中山市の1日当たりのがん発症数は09年に8.3人となり、1970年の0.8人から急増。全国腫瘍登記センターの当局者は「今後10年間、中国のがん発症率、死亡率は上昇し続ける」と予測する。

がんの拡大は国にとって経済的な負担となる。治療費などがんにかかるコストは全世界で年1兆1600億ドル(約119兆円)に上る。

WHOによると12年の新たながん患者数は世界で1400万人。20年後には年2200万人に拡大するという。同様にがんによる死者数は12年の820万人から年1300万人に増える見通し。報告書は「がんは驚くべきスピードで拡大している。治療では対応しきれず、予防と早期発見を強化しなければならない」と警鐘を鳴らしている。

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